2020年度からの大学入試新テスト、受験生は導入に賛成?反対?

竹内みちまろ

現在の大学入試センター試験に代わって、2020年度から新テスト「大学入試共通テスト(仮称)」が実施される予定です。

2020年度からの大学入試新テスト、受験生は導入に賛成?反対? 

 

現在の中学3年生から対象になりますが、英語の試験はどのように変わるのでしょうか。まずは、現在の大学入試の状況からご紹介します。

 

 

 

大学入試共通テスト(仮称)はどうなる?

 

文部科学省は、大学入試共通テスト(仮称)の英語は、2023年度までは外部検定の利用と現在のマークシート式による試験を並行して行い、2024年度からはマークシート式を廃止したうえで民間の外部検定のみを採用する方針を発表しており、7月10日に開かれる有識者会議に提案し、了承される見通しとなっています。(2017年7月7日時点)

 

これにより大学入試では、外部検定を利用することでマークシート式だけでは評価できなかった「書く」「話す」の技能も測定し、英語教育においての4技能化の促進が期待されています。

 

 

 

外部検定試験とは?

 

日本社会のグローバル化にともない、大学は英語をコミュニケーションの手段として使いこなすことができる生徒を求めています。入試では、「読む」「聞く」「書く」「話す」の英語4技能をバランス良く備えた実践的な英語力を評価し、4技能を客観的に測定できる外部検定試験(英検、TOEICなど)の導入が進んでいます。

 

外部検定を採用する大学では、例えば、英検 準1級を取得していれば英語の試験を満点とみなしたりします。他、合否判定の際に、外部検定の結果が考慮されることもあります。

 

 

 

外部検定利用が急速な伸び

 

旺文社教育情報センターが2016年12月13日に発表した2017年度大学入試調査報告によると、全764大学の中で、推薦・AO入試で外部検定を利用する大学は314大学、一般入試では110大学にのぼりました。

 

前年となる2016年度と比べると、特に一般入試で、50大学から110大学と倍以上の伸び率を示しています。今後も、急速に外部検定を利用する大学の数が増えていくことが予想されています。

 

 

 

9割以上が英検を採用

 

外部検定試験採用大学において「英検」の利用率は、一般入試で91.8%、推薦・AO入試では96.2%と、各外部検定でトップでした。

 

国が高校卒業時の目標として定めるのは英検準2~2級程度、準1級レベルを求めるのは国立大と難関私立大が中心となっています。推薦・AOと比較して、一般入試では上位レベルを求める傾向もあるようです。

 

普段の授業に加え、英検を積極的に受験しておくことで、大学入試で有利になる傾向は今後ますます強まっていくといえるでしょう。

 

 

 

マークシート式によるセンター試験の満足度は?

 

一方、現在のマークシート式によるセンター試験の満足度はどの程度なのでしょうか。

 

大学受験生の応援メディア「受験のミカタ」が、2017年6月13日に発表したアンケート調査から、内容をピックアップして紹介します。

(対象: WEBサイト閲覧ユーザー/回答者数:249人)

 

アンケート調査は、英語に特化したわけではなく、センター試験全体を対象にしていますが、「みなさんは現在のセンター試験の方式(マーク式)に満足していますか?」と尋ねたところ、下記のような結果となりました。

 

現在のセンター試験の方式(マーク式)に満足していますか?


  • 満足している: 73.5%(183人)
  • 満足していない: 18.9%(47人)
  • その他: 7.6%(19人)

 

現在のマークシート方式での受験に向けた準備を進めている高校3年生では「満足している」と回答した割合が83.8%で全学年の中で最も高い結果になっています。受験を終えた大学生では、「満足していない」と回答した人の割合が最も高く、31.8%でした。

 

 

 

新テスト導入方針に賛成の人は?

 

2020年度から導入予定の大学入試共通テスト(仮称)では、思考力・判断力・表現力をより評価することが狙いとなっています。

 

現在のセンター試験に「満足」と回答した人は新テストの方針に賛成?


  •  実施すべき: 67.8%

 

現在のセンター試験に「満足していない」と回答した人は新テストの方針に賛成?


  •  実施すべき: 76.6%

 

暗記だけではなく思考力・判断力・表現力をより評価するテストの必要性について質問したところ、現在のセンター試験に満足していない人の76.6%が「実施すべき」と回答しています。

 

また、現在のセンター試験に満足している人でも67.8%が「実施すべき」と回答していることから、多くの人が、新テストの必要性を感じていることが浮き彫りにされました。

 

 

 

中学生には、ロボットに仕事を奪われるという不安も?

 

アンケート調査の発表記事では、思考力・判断力・表現力をより評価する大学入試共通テスト(仮称)を導入する背景には人工知能(AI)の発達があり、近い将来、多くの仕事がAIを兼ね備えたロボットによって行われることが予想されると指摘されています。

 

ロボットの発達による将来の就職について質問した結果、「不安を感じている」と回答した割合が最も多かったのは中学生で、その割合が68.09%であることも紹介されていました。

 

「ロボットにどんな仕事をやらせるか次第。人がやれるもの、やりたい思う人がいる仕事をやらせるなら不満はあるだろうし、逆にロボットがやってくれることで全ての人間にとってプラスになる仕事もあるはず」と冷静な見方をしている意見もあり、いずれにせよ、AI技術の発達により社会がどう変化していくのかを注意深く見守って行く必要がありそうですね。

 

 

参考:受験のミカタ「2020年度から大学入試が変わる!249人の意見を大調査!

 

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