いよいよ国公立二次・私立大入試本番。英語試験の大部分を占める長文読解問題は「部分」と「全体」の2つの視点で攻略しよう!今回は「部分」の視点から攻略法を紹介します。
大学入試の英語問題は、大部分が長文読解問題で構成されています。総合的な英語力を問うとされる長文読解問題、特に論説文の読解には、「部分」と「全体」という2つの視点の使い分けが必要です。
英検の過去問を使って、今回は「部分」の視点から、英語長文読解を攻略するための対策とコツを伝授します。
「部分」を読む①-スラッシュ・リーディング
入試英語でもスタンダードになりつつあるスラッシュ・リーディングは、通訳訓練にも使う重要な技術です。入試英語では、未知の単語や表現の特定やより正確な推測のためにこの技術を用いることになります。
ここで詳細な方法に触れることはできませんが、基本的なスラッシュの挿入は以下の通りです。
■ スラッシュ・リーディングの基本
(1) 接続詞・関係詞の前にスラッシュ
(2) 前置詞の前にスラッシュ
(3) 動詞の前にスラッシュ(名詞の直後に述語動詞がないとき)
スラッシュを挿入することによって英文が分割され、スラッシュ間の英文が<主語+動詞>または構文分析を必要としない<前置詞+名詞>の形になることが最大の利点です。
■ スラッシュ・リーディングの例
「部分」を読む②-名詞がするのか/されるのか?
英語は極論すれば、主語と述語の組み合わせだけでできています。接続詞がない限り、1文に主語と動詞は1組しか使えないため、2つ目以降は準動詞(不定詞・動名詞・分詞)になるのです。したがって、動詞と準動詞の主述関係をすべて見抜けば、英語が読めます。そして、この主述関係をより分かりやすくするのがスラッシュなのです。
スラッシュで分割した英文は、すべてスラッシュ内で処理するのが原則です。読む際は、「名詞がする」のか「名詞がされる」のかをきちんと読み分ける必要があります。
スラッシュ内に準動詞がある場合、主語となる名詞は準動詞の直前の名詞です。
準動詞には主語の目印がある場合もあります。
◇動名詞の意味上の主語(正式)…所有格
◇不定詞の意味上の主語…for[of] +名詞
もっとも注意すべきなのが、規則動詞の過去形と過去分詞形です。どちらも見た目が-edであるために、能動態と受動態を見誤る可能性があります。たいていの場合は常識や文脈から読み取れるため、この重要性を日頃意識せずに読む癖がついてしまい、肝心なところで混乱してしまうこともあるようです。
◇準動詞の-ed形は受動(完了形have+-edを除く)
今一度、正確に読むために基本に立ち返りましょう。
次回は「全体」および2つの視点を超えて、英語長文読解の攻略法を紹介します。
※「Orthorexia」全文は、英検ウェブサイト「準1級の過去問・対策」よりご覧いただけます。
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