【大学入試対策】英語長文読解最終対策とコツ(2):「全体」、2つの視点を超えて

諏佐 加奈子(すさ かなこ)
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いよいよ国公立二次・私立大入試本番。英語試験の大部分を占める長文読解問題は「部分」と「全体」の2つの視点で攻略しよう!今回は「全体」および2つの視点を超えて攻略法を紹介します。

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大学入試の英語問題は、大部分が長文読解問題で構成されています。総合的な英語力を問うとされる長文読解問題、特に論説文の読解には、「部分」と「全体」という2つの視点の使い分けが必要です。

 

英検の過去問を使って、「部分」に続き、今回は「全体」および2つの視点を超えて、英語長文読解を攻略するための対策とコツを伝授します。

 

 

 

「全体」を読む-パラグラフ・リーディング

 

未知の単語や表現が散在する英文では、「部分」だけを詳細に検討しても正確な読み取りにたどりつくことはありません。

 

さらに、英語には日本語とは異なる文章ルールが多数存在します。文と文のつながりから読み取るべき情報は、「部分」だけを見ていても書かれていません。

 

日本語話者が英文を読む上で最低限確実におさえておくべきことは、以下の通りです。

 

  • 抽象→具体(→抽象)、定義→説明(具体例・データ含む)
  • あらゆる主張には理由や説明が、問題提起には分析が伴う
  • 主張・事実は現在形(疑問文や仮定法過去を利用した書き方あり)
  • notには逆接の主張が続く
  • 文頭の副詞語句は転換点(新段落の場合は省略されることも多い)
  • 時間を表す副詞語句は、ほぼ「現在(事実・主張)」と「過去」の対比
  • 論説文の基本的な段落構成:主張→根拠→具体例(→譲歩)(→主張)
  • 説明文の基本的な段落構成:(導入→)事実/定義→説明→問題点(→分析)→原因説明(→解決策/今後の展望)

 

これらは英語話者にとっての自明のルールであるため、洗練された文章になればなるほど、接続語句(逆接のhowever、例示のfor exampleなど)が示されないまま論が展開されていくことになります。

 

新聞記事などでは最初の段落が読者の興味を引く導入で、第2段落以降に基本段落構成が続くことがあります。また、基本的な段落構成のうち、具体例の段落だけを抜粋したものが出題される場合もあります。

 

 

パラグラフ・リーディングの例

Orthorexia

¶1  Eating disorders―psychological illnesses related to eating habits that negatively affect one's physical or mental health―are increasingly common in developed nations, where ideas about physical attractiveness and nutrition can greatly affect people's body image and diet. Sufferers of one such disorder, known as anorexia nervosa, think they are overweight no matter how thin they become, and many even limit their food intake to the point of starvation. Recently, a disorder called orthorexia has become common as well. Sufferers feel they must completely eliminate certain items, such as sugar or dairy products, from their diet, and they focus so much on food that it affects their quality of life. A sufferer might, for example, stop eating out with friends. Although the initial goal of such restrictions may be to improve health, they can cause social isolation, stress, and extreme changes in weight when taken to extremes.

¶2 Eating disorders are most common among people in body-conscious professions, such as dancers, actors, or fitness instructors. Increasing numbers of children and adolescents, however, are also suffering from orthorexia, as parents, teachers, and the mass media cause food-related anxiety by overemphasizing healthy eating. Some children, for example, worry that eating a cookie or a piece of candy will seriously affect their health, and they become upset when faced with "bad" foods. Dietician Lisa Dorfman says, "I see kids whose parents have hypnotized them. I have five-year-olds that speak like forty-year-olds. They can't eat an Oreo cookie without being concerned about...fats."

¶3 Health professionals differ on whether orthorexia is a distinct illness or is just a sign of an underlying mental illness that is typically seen in people with recognized eating disorders, such as anorexia. According to the latter argument, shifting social trends may be the reason orthorexia takes the form of an overemphasis on healthy food rather than weight loss. Others feel orthorexia should be in a separate category. Whereas anorexics' unhealthy focus on weight loss places them at risk of starvation, orthorexia sufferers are willing to eat as long as the foods fall into certain categories. Although orthorexia is associated with psychological stress and strained relationships, it does not usually put the sufferer's life in danger.

¶4 Some experts note the similarities between orthorexia―in which ideas about food often take on strong moral associations―and spiritual practices. Indeed, diets sometimes linked to orthorexia, such as those of vegans or vegetarians, often have a philosophical element that relates food to spiritual testing and morality. Dr. Steven Bratman, who first used the term "orthorexia," says the inner life of sufferers "becomes dominated by efforts to resist temptation." In an age where religion is seen as less central to everyday life, orthorexia may simply be a new way for people to turn toward ritual and control of their physical desires.

(英検 2017年度 第1回検定 準1級 大問3「Orthorexia」より)

 

この英文は、書き手の主張を述べた論説文ではなく、Orthorexiaという摂食障害について述べた説明文です。

 

論説文と説明文の判断は通常、第1段落中(短い文章では主に第1文か最終文の主節)に書き手の評価や価値判断を表す形容詞(good / important / clearなど)の有無で行います。

 

今回は第1文に increasingly common(ますます一般的に)という表現があり、さらに最終文には形容詞がないため、善悪や重要度の評価はされていないと判断し、説明文に分類します。

 

まず、全体の段落構成を見てみましょう。Orthorexiaという病理の紹介と簡単な定義ののち、問題化の指摘、分析を述べ、最終的に原因を推測し言及することで文章をまとめています。

 

 

Orthorexia の構成(説明文)

¶1 (事実・定義・説明・問題点指摘)

Orthorexia が近年増加、一般化している

 

¶2 (問題の分析)

Orthorexiaが広がる理由

 

¶3 (問題の分析)

Orthorexiaに対する専門家の意見

 

¶4 (原因説明)

Orthorexiaが現代の「儀式」である可能性

 

次に1段落だけをもう少し詳細に見てみましょう。ここでは、英文の典型である「抽象→具体」「定義→説明」の形に注目しましょう。

 

第1段落最終文では、第5文の具体例を一般化した形で述べ、問題点とし、第2段落につなげています。

 

 

第1段落の構成

①(事実)

  摂食障害の増加

 

②(具体例)

  摂食障害の患者の行動

 

③(事実:文頭副詞Recentlyによる①②からの話題転換)

  新概念Orthorexia(健康食品への過度の執着を示す摂食障害)の紹介

 

④(定義/説明)

  Orthorexiaの特徴

 

⑤(具体例:文中for example有)

  Orthorexiaの患者の行動

 

⑥(問題点)

  Orthorexia患者の問題点

 

 

 

「部分」と「全体」を超えて-背景知識と語彙

 

「部分」と「全体」という2つの視点から確実に英文が読めるようになって誰もが必要性を痛感するのは次の2点です。

 

1. 各トピックの背景知識
2. 語彙

 

これらはネイティブでさえも一生学習し続けるものですが、入試本番が迫った今、何ができるでしょうか。

 

 

背景知識の充実: 日本語でのインプット

背景知識のインプットは日本語で行うのが現実的です。大学入試の英文のトピックは、環境・科学情報技術・文化など特定の分野に偏っています。

 

実社会ではよくあることですが、背景知識は英語力の不足を補って余りあるものです。気分転換も兼ねて興味のある大学過去問の和訳を読んだり、英字新聞を和訳したものや付属の語彙リストなどに目を通したりしておけば思わぬところで役に立つことでしょう。

 

 

語彙の充実: 同意語の習得

英語は繰り返しを嫌う言語で、代名詞に加え、同意語や反意語を多用します。

 

同意語の学習は、入試英語という観点からも、類語を選択する問題はもちろんのこと、内容一致問題の問題文と選択肢の対応を見極める際に有効です。

 

例)「重要な」important

<同意語>

crucial、 critical、 significant、 substantial、 vital/ of great consequence など

<反意語>

insignificant、 minor、 trivial、 unimportant など

 

 

 

「理解」よりも「正答」

 

ここまで英語長文読解向上のためのヒントを述べてきましたが、今最も必要なのは“「入試」英語力”です。

 

たとえ英文の内容が理解できなくても、正答すればよいのです。実際入試には、ネイティブでも意見が割れるような問題も出題されます。

 

試験中は少しでも正答可能性の高そうな問題を探し、できる問題から確実に得点を積み上げていきましょう。

 

何があっても決して諦めない正答への執念で、あと1点、そして志望校合格へ!

 

※「Orthorexia」全文は、英検ウェブサイト「準1級の過去問・対策」でもご覧いただけます。

 

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この記事の筆者について

諏佐 加奈子(すさ かなこ)

PROFILE

ピアノ・オルガン奏者、予備校講師を経て渡英、ロンドン大学M.A.取得。テンプル大学M.S.Ed. in TESOL取得。現在まで10年以上に渡り模試・テキスト等の作題に従事。フリーランス翻訳者。

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