【センター試験対策】カギは時間配分!「英語(筆記)」

諏佐 加奈子(すさ・かなこ)
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平成30年度大学入試センター試験が2018年1月13日・14日に行われます。国公立大学・私立大学出願に重要なこの試験。適切な時間配分が志望校合格への第一歩です。

【センター試験】カギは時間配分!

 

全国848国公私立大学・短大の入試に利用されるセンター試験は、文字通り「一発勝負」。実力以外の要素も大きく作用するのが現実です。戦略を誤って実力を出し切れないことほど悔いの残ることはありません。

 

持てる知識を確実に得点に変える-そのカギは時間配分です。ここでは、センター試験「英語(筆記)」について取り上げます。

 

 

 

高配点箇所に十分な時間を!見直しなどの時間も考慮する

 

近年、センター試験「英語(筆記)」は、設問数49問(総マーク数55)。80分の試験ですので、単純計算で1問約98秒、大問別に見ると、おおよそ下記のような時間配分となります。

 

高配点箇所を考慮せず単純計算した時間配分

 

ですが、この時間配分は、語数が多く配点も高い読解問題に時間を割いておらず現実的ではありません。

 

一方、配点をもとに時間配分するとおおよそ下記のようになり、これが標準的な時間配分ということになります。

 

高配点箇所を考慮した標準的な時間配分

 

ところが、誰しも得意・不得意分野があり、それぞれの問題は形式や難易度が異なります。さらに試験当日の緊張、解答用紙への転記や見直しの時間を考慮すると解答時間は最大で70分。それを正答確率が最大になるように配分する必要があります。

 

では、正答確率を最大となるよう時間配分するにはどうすればいいのでしょうか。

 

 

 

正答確率の高い問題とは…知識か?内容一致か?類推か?

 

センター試験「英語(筆記)」は、目標平均点120点、様々な難易度の問題が出題されます。つまり、受験者は易しい問題から確実に得点すべきで、極端なことを言えば、目標得点次第では難しい問題を「戦略的に捨てる」という発想も必要です。

 

では、易しい問題とは何でしょうか。問題は大きく次の3つに分類できます。

 

1)単語の意味・文法・語法などの知識を問う(知識)
2)正答の選択肢が問題文の特定の一部の言い換えになっている(内容一致)
3)正答に文脈や論理、問題文の複数箇所の内容理解を要する(類推)

 

正答可能性は高い方から、「知識問題(習得済み)」⇒「内容一致問題」⇒「類推問題」⇒「知識問題(未習得)」だと考えられます。

 

重要なのは、知らない知識を問う問題に時間を浪費しないということです。もちろん、時間をかけて考え尽くせば、正答に近づいていく満足感は得られるでしょう。しかし、センター試験は時間との闘いです。のんびりと考えている時間はありません。

 

真に時間をかけるべきは、理解が多少不十分であっても「問題文」と選択肢を見比べることで正答を得られる可能性の高い「内容一致問題」です。

 

それらに重点を当て、さらに見直しなどの時間を考慮した時間配分が下記となります。

 

正答確率の高い問題に重点を置き、見直しなどの時間も考慮した時間配分

 

 

 

実際にどう取り組むか?-各問題への対策

 

知識問題: 音声(第1問)・文法(第2問)

音声・文法問題は知識問題で、単語や問題文の意味が分かっても正答の保証はありません。即答できない問題への執着は厳禁です。

 

第1問は頭の中で音声を思い浮かべながら1問につき5秒
第2問A(空欄補充)は選択肢の語句で知識の有無を判断しつつ10~20秒
第2問B(語句整序)は語順決定の軸となる語に気付くかどうかを基準に30秒~1分
第2問C(会話応答)は各語の語法の知識の有無をもとに20秒~30秒
を目標に解答を選択してください。

 

 

内容一致問題: 第3問C(意見の要約)、第5問・第6問Aなど

例年、第3問C(意見の要約)、第5問・第6問Aの大部分が内容一致問題で、問題文の特定の一部分を言い換えたものが正答の選択肢になっています。

 

第3問Cは日本語で示された場面設定が第一発言者の発言内容とほぼ一致しているのが特徴です。

 

第4問も基本的には内容一致問題ですが、Aは図表の読み取りに、Bは解答に直接必要のある箇所の特定に得意不得意が現れることがあります。Bに苦手意識がある方は、模試などの解答解説に掲載されている資料の日本語訳を用いて正答の根拠となる箇所を特定する練習をしてみてください。

 

 

類推問題:第3問B(不要文削除)、第6問Bなど

類推問題は、「トピック」、「タイトル」、「まとめ」などを問うのが特徴で、昨年度(平成29年度)の問題では、第3問B(不要文削除)、第4問A 問3・問4、第5問 問5、第6問A、およびBなどがこれにあたります。

 

例年センター試験「英語(筆記)」では同じ大問内の内容一致問題と類推問題は配点が同じですので、目標得点次第では類推問題ではなく内容一致問題での確実な得点を重視するのも1つの戦略でしょう。

 

 

 

重要なのは“平常心” 出題形式変更にも焦らない!

 

ここまで過去の出題傾向をもとに時間配分を考えてきましたが、実は、“平常心”が重要です。試験当日の思わぬ緊張、出題傾向の変化。妥協せずに時間配分を貫徹できるかどうかは平常心にかかっているのです。

 

70分以下に解答時間を設定した過去問演習で、本番での自分史上最高得点の達成を!

 

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この記事の筆者について

諏佐 加奈子(すさ・かなこ)

PROFILE

ピアノ・オルガン奏者、予備校講師を経て渡英、ロンドン大学M.A.取得。テンプル大学M.S.Ed. in TESOL取得。現在まで10年以上に渡り模試・テキスト等の作題に従事。フリーランス翻訳者。

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