第5回:目的に応じた読み方で読解力を高めよう(1)

本多 敏幸(ほんだ としゆき)
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英検、入試、定期テストでは必ず読解問題が出題されます。読解力が足りなければ、試験で高い得点を取ることはできません。2回にわたって、読解力を高めるための練習方法やお勧めの教材を紹介します。

英語力を伸ばす学習法 第5回

 

 

中学生や高校生の皆さんが英語の文章を読むのは、主に教科書を学習するときや英検や定期テストなどの試験を受けるときでしょう。このときに読むのは「文法や語彙を学習するため」、あるいは「英語力を測るため」に作成された文章です。

 

しかし、「読む」という活動は学習や試験のためだけとは限りません。読む目的に応じて読み方は変わります。

 

いつも同じ方法で教科書しか読んでいない状況では、読む力は十分に身に付きません。読み方のバリエーションを理解し、目的に応じて読み方を変えることができるようにしましょう。

 

では、どのような目的のときに、どのような読み方をしているのでしょうか。

 

1 楽しむために読む
例えば、小説やマンガ本などは楽しむために読むはずです。このとき、登場人物に感情移入をしたり、どんな展開になるのか想像したりしながら読んでいるのではないでしょうか。

2 調べる(情報を得る)ために読む
例えば、マニュアル本や新聞のテレビ欄などは調べるために読むはずです。また、知りたい情報を得るために、インターネットで検索することもあると思います。この場合、自分が知りたい情報を探し、その部分だけを丁寧に読むのではないでしょうか。

3 知識を得るために読む
例えば、歴史の本などは知識を増やすために読んでいるはずです。自分が知らないところを丁寧に読んだり、ときには読み返したり、書き込みをしながら読む人もいるのではないでしょうか。

4 コミュニケーションを行うために読む
例えば、電子メール、手紙、SNSの通信ソフトは、相手とコミュニケーションを取るためのものです。したがって、相手が自分に伝いたい内容を理解しようとしながら読んでいるのではないでしょうか。

 

これらが日常生活で行う「読むこと」の主な目的です。目的に応じてどのような読み方をしているのか自分の行動を客観的に観察してみてください。

 

 

 

その1 まず概略を理解しよう!

 

まず、物語文や説明文などは、その概略(あらまし、アウトライン)を把握する読み方ができるようにしましょう。

 

一番やってはいけないことは、分からない単語があるとすぐに辞書を引いてしまうことです。日本語の文章を読むとき、分からない漢字があっても普通は調べません。読み流して大体の内容が把握できれば良しとしているはずです。英文でも同じです。

 

概略を理解する練習を行う際は自分の英語力に合った文章を選んでください。最初の数行を読み、難解な単語が多くてまったく理解できない文章であれば、学習には向きません。

 

学習に向く教材として、例えば、英検の過去問が利用できます。英検で出題される文章はレベルに沿って作成されているからです。下の目安を参考にして読む練習をしましょう。

 

【学習教材の目安】

英検3級レベルの人 → 4級 4Cの問題。3級 3Cの問題
英検準2級レベルの人 → 3級 3Cの問題。準2級 4Bの問題

 

設問を解く必要はありません。どんなことが書いてあるのかをつかもうとするだけで十分です。

 

また、高校入試問題の文章問題を読むのもよいでしょう。文法や語彙が中学の範囲に限定されているのと、400語以上の語数で書かれているものもあるので、概略を理解する練習を行うのに適しています。入試問題には、アンダーラインが引かれていたり、(  )のような空所があったりしますが、読み物だと思って読んでください。

 

読む際に注意することが1つあります。自分のペースで読んでよいのですが、英文が理解できない場合も戻り読み(戻って読み直す)をしないようにしましょう。

 

リスニングでは途中で戻るわけにはいきません。読むときもリスニングをしているときのように、文の頭から大体の意味を取りながら読み進めていく練習をしましょう。

 

 

 

その2 段落ごとの内容を理解しよう!

 

次に、段落ごとに内容を理解する読み方を身に付けましょう。

 

原則として、1つの段落には1つのことが書かれています。段落ごとに内容を理解しようとするときには、全体の概略を把握する目的で読むときよりも少し丁寧に読みます。

 

お勧めの学習法は、読んだ後で、その段落の内容について口頭で説明してみることです。1文ずつを日本語に訳すのではありません。おおよその内容を日本語で述べるのです。

 

このとき、必ず声に出して言うようにしましょう。心で思っていることを表現することが大切なのです。段落の内容を要約して表現する力を高めることができます。

 

分からない語句があるかもしれませんが、まずは辞書を用いずに語句の意味を推測しながら内容を言うようにしましょう。

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ としゆき)

PROFILE

千代田区立九段中等教育学校指導教諭。東京学芸大学大学院教育学研究科英語教育専攻修士課程修了。ELEC同友会英語教育学会会長。英語授業研究学会理事。文部科学省「外国語教育における『CAN-DOリスト』の形での学習到達目標設定に関する検討会議」、「中央教育審議会中等教育分科会教育課程部会外国語ワーキンググループ」、「学習指導要領等の改善に関わる検討に必要な専門的作業等(中学校外国語)」協力者。全国各地で教員向けの講演を多数行う。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』、『中学生からの勉強法』(以上文藝春秋)、『中学校新学習指導要領 英語の授業づくり』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』、『到達目標に向けての指導と評価』(以上教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)等。

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