第6回:目的に応じた読み方で読解力を高めよう(2)

本多 敏幸(ほんだ としゆき)
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英検、入試、定期テストで点を取るためには欠かせない読解力。今回は、前回に引き続き、英語の読解力を身に付ける方法を具体的に紹介していきます。

英語力を伸ばす学習法 第6回

 

 

中学生や高校生が英語の文章を読んでいるところを観察していると、すぐにスラッシュを入れたり、辞書を用いたり、何かしらの記号やメモを書き入れている姿が目につきます。学校の授業や塾の指導の影響を受けているのかもしれません。

 

こうした書き込みは文法を学習するためには必要かもしれませんが、文章の内容をさらっと読み取る際には逆にマイナスに働くこともあります。なにより、時間がかかってしまいます。

 

あなたがある英語の文章を読むとき、次のことを感じることはありませんか。

 

ア 文章が難しくて理解できない
イ 読む速度が遅い

 

アの原因としては、次のことが考えられます。

 

語彙が不足している。

題材に関する知識がない。

 

イの原因としては、次のことが考えられるます。

 

1文1文の意味の理解にこだわり過ぎて戻り読みをすることが多い。

すべての文を日本語に訳している。

語数の多い文章に慣れていない。

 

心当たりのある人が多いのではないでしょうか。上手な読み手になるためには、「第5回:目的に応じた読み方で読解力を高めよう(1)」で述べたように、様々な英語の読み方ができるようになる必要があります。

 

読む目的、学習の目的に合わせて、適切な読み物(教材・素材)を選び、様々な読み方ができるようになりましょう。

 

 

 

その1 たくさんの英文に触れよう!

 

教科書の本文は文法や語彙を学習するためにも作られています。したがって、1回の授業で100語程度までしか扱われないことが多いと思います。

 

これに慣れてしまうと、語数の多い文章を一気に読み進める力が育っていない場合があります。

 

英検4級レベルであれば400語、3級レベルであれば800語、準2級レベルであれば1,200語くらいの文章は一気に読み切る力を身に付けたいものです。

 

英語力を身に付けるには、英語にたくさん触れることが必要です。ときには、教科書だけでなく、学習者用に書かれた洋書を読んでみましょう。多読用の洋書であれば、自分のレベルに合ったものを選ぶことができます。

 

洋書を読む際は、「楽しむために読む」ことを心掛けてください。辞書を引くのであれば、1章を読んだ後に「ストーリーを把握する上で重要な3つの単語まで調べる」などと自分でルールを決めてもよいでしょう。

 

とにかく楽しみながら英語に触れることが大切です。冬休みにぜひ1冊、英語の本を読んでみてください。

 

 

その2 情報を探し出そう!

 

知りたい情報がどこに書いてあるのかを探す活動をスキャニング(Scanning)と呼びます。日常生活でもこのスキャニングをする機会は多く、英和辞典で単語を探すことがまさにスキャニングです。

 

スキャニングに慣れるための練習方法を紹介しますので試してみてください。

 

ある程度の語数のある文章を用意してください。英検の過去問でも教科書の読み物教材でも入試問題でもよいです。

 

文章の頭から、速めのスピードで読んでいき、目的の単語(下に述べる①~⑤)を探して◯で囲むなど、印をしてください。

 

英文をじっくり読むときには数語先までを見ながらゆっくり読んでいると思いますが、スキャンニングをするときは、一度に目にする範囲を広げます。これがコツになります。

 

例えば、last monthという語句を文章中から探すのであれば、視野を広くし、目に入ってくる単語の中からlast monthを素早く探すのです。

 

◇じっくり読むときの視野のイメージ
黄色い部分: 数語が同時視野に入っている)

 

じっくり読むときの視野のイメージ

 

◇スキャニングしているときの視野のイメージ
青い部分: 複数行にわたった部分が同時に視野に入っている)

 

スキャニングしているときの視野のイメージ

 

では、スキャニングの練習を行ってみましょう。

 

英検の過去問などの文章を利用して、次の5つのことを順番に行ってみてください。一度読んでしまうとどこにどんな単語があるのか分かってしまうので、実際にはそれぞれ別の文章で行うほうが効果的です。

 

① 大文字で始まる単語(人名、地名など)を探す
② 否定文(notやneverなどがある文)を探す
③ 時を表す語句を探す
④ 場所を表す語句を探す
⑤ 逆接を表す単語(butやhoweverなど)

 

どうでしたか? 上の①~⑤は、文章の意味を正確に理解するのに欠かせないキーワードとも言えます。慣れてきたらスピードを上げて練習してみてください。

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ としゆき)

PROFILE

千代田区立九段中等教育学校指導教諭。東京学芸大学大学院教育学研究科英語教育専攻修士課程修了。ELEC同友会英語教育学会会長。英語授業研究学会理事。文部科学省「外国語教育における『CAN-DOリスト』の形での学習到達目標設定に関する検討会議」、「中央教育審議会中等教育分科会教育課程部会外国語ワーキンググループ」、「学習指導要領等の改善に関わる検討に必要な専門的作業等(中学校外国語)」協力者。全国各地で教員向けの講演を多数行う。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』、『中学生からの勉強法』(以上文藝春秋)、『中学校新学習指導要領 英語の授業づくり』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』、『到達目標に向けての指導と評価』(以上教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)などがある。

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