第17回:「ライティング力」を高めよう(1)

本多 敏幸(ほんだ としゆき)
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今回から、英文を書くための学習法を3回にわたって取り上げます。書く技能を高めるためにどのように学習したらよいのかを紹介していきます。

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「書くこと(ライティング)」とは?

 

まず、中学生や高校生が日常生活の中で、「書く」ことを行うのはどんなときでしょうか。

 

(1) 手紙、メール、メモなどで、誰かに用件などを伝えるとき
(2) 日記など、一日の出来事を記録するとき
(3) 授業を聞いて、メモを取るとき
(4) 誰かに読んでもらう作文を書くとき
(5) レポートを作成するとき
(6) 英単語や漢字などを練習するとき

 

この他にもあると思いますが、この中で、間違えないように特に注意して書くのはどれか、考えてみましょう。それは、自分が書いた文章を誰かが読むと分かっているときではないでしょうか。

 

(2)や(3)の日記やメモは、自分で読むために書いているので、きれいに書かなくても、誤字脱字があっても、自分が読んで理解できればよいものです。しかし、(1)(4)(5)の手紙やレポートなどは、読み手に分かりやすいよう、できるだけきれいな字で、内容に誤解が生じないように書かなければなりません。

 

会話であれば、分からないことは話し手に聞くことができますが、手紙やレポートを読むときは書いた人が目の前にいるわけではありません。だからこそ、相手に自分の言いたいことをしっかり理解してもらえる文を書く必要があります。

 

良い文章を書けるようになるにはたくさんの練習が必要です。日本語の作文と同じように、英作文も、実際に何度も練習しなければなりません。

 

今回は、特に初心者向けに、普段の勉強の仕方をちょっと変えるだけで書く力が伸びていく学習方法を紹介します。

 

 

ライティング力を伸ばすには…

 

【その1】 教科書の文章を写してみよう

 

何ごとでも習得するための最善の方法は、良いものを見本として、それをまねることです。中学生や高校生は教科書を見本にするとよいでしょう。

 

教科書に載っている文章をノートに写すことは、次のように一石二鳥以上の効果があります。

 

① (初心者にとって)文字に慣れる
② (初心者にとって)書くスピードが速くなる
③ 単語のつづりを覚えられる
④ 文構造に慣れる
⑤ 文章の構成についてより理解する
⑥ 内容をより深く理解する

 

教科書の文章を写すのが効果的と言っても、その写し方が大事です。

 

第14回:特に大切! 効果的な『復習』の方法」の中で、「何も考えずに、単なる作業のように英文を写すだけではダメです。英文の意味を考え、英文を言ってから書くと効果的です」と述べました。

 

私が推奨するやり方は、英文を1文ずつ言ってから、教科書を見ないで書くという方法です。言ってから書くことで、文法、構文、単語の使い方がより効果的に学習できます。自分が書いた文を見直し、単語のつづりが間違っていれば、間違った単語だけを正しく書けるように練習すればよいことになります。

 

また、文章を写すことで、⑤の文章の構成についても学ぶことができます。教科書には対話文、物語文、手紙(メール)文、説明文、スピーチ文など様々な種類の文章が載っていますが、特に手紙(メール)文、説明文(論説文)、スピーチ文などは文章の構成を学べる良い教材となります。

 

教科書の他、英検の問題文を見本として使うのもよいでしょう。自分に合ったレベルの級を選んで、文章を言って、考えて、写したり書いたりしてみてください。

 

 

【その2】 習った文を自分のことに当てはめて書く

 

学校の授業では、重要表現、構文、文法などをたくさん習っていると思います。それらの文を家で練習してみましょう。ただし、習った文をそのまま書くだけではなく、自分で文を考えて書くのです。

 

I have lived in London for seven years.
私はロンドンに7年住んでいます。

 

例えば、上の英文を習ったら、自分のことに当てはめて、

 

I have lived in Tokyo for five years.
私は東京に5年住んでいます。
(=自分の住んでいる場所)

 

I have studied English since I was ten.
私は10歳のときから英語を勉強しています。
(=自分がずっと行っていること)

 

などの文をつくります。次の例のように、身の周りの人に当てはめてもよいでしょう。

 

My father has played the guitar since he was eighteen.
父は18歳のときからギターを弾いています。
(=身の周りの人について)

 

ある英文を習ったら、それを自分自身や身の周りのことに当てはめ、覚えようとすることで、記憶に残り、表現の幅が広がっていきます。

 

次回もライティング力を伸ばす学習法を紹介します。

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ としゆき)

PROFILE

千代田区立九段中等教育学校指導教諭。東京学芸大学大学院教育学研究科英語教育専攻修士課程修了。ELEC同友会英語教育学会会長。英語授業研究学会理事。文部科学省「外国語教育における『CAN-DOリスト』の形での学習到達目標設定に関する検討会議」、「中央教育審議会中等教育分科会教育課程部会外国語ワーキンググループ」、「学習指導要領等の改善に関わる検討に必要な専門的作業等(中学校外国語)」協力者。全国各地で教員向けの講演を多数行う。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』、『中学生からの勉強法』(以上文藝春秋)、『中学校新学習指導要領 英語の授業づくり』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』、『到達目標に向けての指導と評価』(以上教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)などがある。

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