第19回:「ライティング力」を高めよう(3)

本多 敏幸(ほんだ としゆき)
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第17回から、書く技能を高める学習法を取り上げてきました。今回もその続きです。正確にスラスラと書けるよう力を付ける学習法を紹介します。

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(前回の「第18回:「ライティング力」を高めよう(2)」はこちら)

 

 

目標とすること

 

英語の文を書く練習を行う際、意識しなければならないことは「正確さ」と「流暢(りゅうちょう)さ」です。

 

正確さとは、文法に従って正しく、つづりも正しく書くことです。流暢さとは、まとまりのある文章をスラスラ書くことです。

 

話すことで考えてみてください。外国人が日本語を、文法的には正しくなくても、大事な単語を並べて、相手に大きな誤解のないようにスラスラ話すのを見かけたことがあるかもしれません。書くことでも同じで、とにかくスラスラ書けることも大切な力です。

 

そこで質問です。あなたは流暢さと正確さのどちらを先に学びたい(練習したい)ですか?

 

1文ずつ正確な文を書けるようになってから、まとまりのある文章を書くほうがよいと考えている人もいるでしょう。あるいは、とにかくまとまりのある文章を書けるようにしてから、1文1文の正しさを高めた方がよいと考えている人もいるでしょう。

 

私はその両方を同時に行うべきだと考えています。複数のアプローチをしてこそ気付くことがあるからです。また、初心者であっても「正確さ」と「流暢さ」の両方を意識する方が、ライティング力を伸ばすことができることを、経験として感じているからです。

 

 

正確で流暢な文章を書くための学習法

 

【その1】 様々な話題についてまとまりのある文章を書く

 

様々な話題について、まとまりのある文章を書く練習を行ってみましょう。例えば、次のことについて50語以上の文章を書いてみてください。

 

(1) 自分の家族のこと
(2) 自分の好きなスポーツ(好きな教科、好きな音楽など)
(3) 好きな季節

 

これら3つは、話題は違っていますが、構成は似ています。(1)であれば、まず家族構成(家族の人数やメンバーなど)を書き、次にそれぞれのメンバーについて書くのがよいでしょう。

 

(2)であれば、自分の好きなスポーツをまず述べ、次にそれが好きな理由や自分の経験などを書くのがよいでしょう。

 

(3)であれば、好きな季節をまず述べ、次にその季節が好きな理由やその季節に自分が行うことなどを書くのがよいでしょう。

 

文章を書くときに意識してもらいたいことを、前回に続けて挙げてみます。

 

① 事実をまず書き、それに感想を加えよう。
② 時間の経過が分かるようにしよう。
③ 「大きなこと」から「小さなこと」の順番で情報を述べることを意識しよう。
④ 理由を書こう。

 

前回は①②について取り上げましたが、今回は③④について取り上げます。

 

③ 「大きなこと」から「小さなこと」の順番で情報を述べることを意識しよう。

(例)

I like sports very much. Now I am interested in baseball. I don’t play baseball, but I often watch baseball games on TV. My favorite team is ○○○.
私はスポーツが大好きです。今は野球に興味があります。私は野球をプレーしませんが、よくテレビで野球の試合を見ます。私の好きなチームは○○○です。

 

④ 理由を書こう。

(例)

I think studying English is very important for several reasons. First, English is used all over the world, so we can communicate with a lot of people in English. Second, △△△.
私は、英語を学習することは、いくつかの理由でとても大事だと思います。1つ目に、英語は世界中で使われているので、英語で多くの人たちとコミュニケーションが取れます。2つ目に、△△△。

 

 

【その2】 1文の情報量を増やしてみよう

 

より良い文章の特徴として、次のようなことが挙げられます。

 

(1) 1文の情報量が多い
(2) いろいろな単語や表現を使っている
(3) どのような情報が次に書かれているかを示す語句を使っている

 

(1)は、接続詞(and, but, so, because, when, if, thoughなど)を使ったり、関係代名詞や分詞などを使った修飾語句を加えたりして、1文の中の情報量を増やすことです。

 

(2)は、同じ単語を何度も使わずに、いろいろな単語を使うことです。

 

(3)は、however, therefore, in addition, in other wordsなどのつなぎの語句(ディスコースマーカー)を使い、読み手に分かりやすい文章を書くことです。これは初心者には難しいかもしれません。中学3年生以上で意識し始めればよいでしょう。

 

この中から(1)の「1文の情報量を増やす力」を付ける学習法を紹介します。

 

自分が書いた文章を読み直し、その中の2文以上を、接続詞などを使って1文にしてみてください。自分の書いた文章ではなく、中学校1年生の教科書本文を利用してもよいでしょう。

 

例えば、以前、次の文章を書いたとします。

 

Tetsuo is one of my classmates. He is a good guitar player. Last year, I listened to his concert for the first time. His performance was great! He is going to play at the school festival. Our school festival will be on October 10. I am looking forward to his concert.
テツオは私のクラスメートの一人です。彼はギターを弾くのが上手です。去年、私は初めて彼のコンサートを聞きました。彼の演奏は素晴らしかったです! 彼は学園祭で演奏する予定です。学園祭は10月10日にあります。私は彼のコンサートを楽しみにしています。

 

この文章について、1文の情報量を増やしてみましょう。

 

(例)

Tetsuo, one of my classmates, is good at playing the guitar. When I listened to his concert for the first time last year, I was moved by his great performance. He is going to play at the school festival on October 10 and I am looking forward to it.
私のクラスメートの一人であるテツオは、ギターを弾くのが上手です。去年、初めて彼のコンサートを聞いたとき、素晴らしい演奏に感動しました。彼は10月10日の学園祭で演奏する予定で、私はそれを楽しみにしています。

 

文を加工する際、最近習った文法や表現を使ってみるようにすると、より学習効果が上がるでしょう。

 

最後に、私が教えている生徒が、ライティングの学習法やコツ、気を付けていることなどを書いてくれたので、いくつか紹介します。参考にしてみてください。

 

<高校2年次に行った学習方法に関するアンケート調査から>

icon_o_co完璧な文章を書こうと思って難しい言い回しや単語を使うと失敗する。8割くらいの力でスラスラ書いた方がミスの数が少ない。

icon_b_co考えの述べ方を何パターンか覚えておく。

icon_o_co書くことの方針を決めてから書き始める。

icon_b_co同じ意味でもあえて違う単語を使ってみたり、構文を使ってみたり、常にカッコよさを求めて書いている。

icon_o_coWikipediaで好きなページを英訳したり、逆に和訳したりする。

icon_b_co書き言葉と話し言葉の違いなどを意識して書く。

icon_o_co接続詞やつなぎ言葉を覚える。

icon_b_co構文をとにかく頭に入れる。

icon_o_co海外で知り合った人とメールのやり取りを続ける。

icon_b_coいろいろなジャンルのことについて書けること(自分の意見)を用意しておく。

icon_o_co何も考えずに書き始めると力が付かないので、いったん頭で構成を考えたり、はじめのうちはテンプレートを参考にしたりしている。

icon_b_co日本語をそのまま英語に変えて書くと難しかったり堅苦しくなったりするので、様々な表現方法を覚える。

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ としゆき)

PROFILE

千代田区立九段中等教育学校指導教諭。東京学芸大学大学院教育学研究科英語教育専攻修士課程修了。ELEC同友会英語教育学会会長。英語授業研究学会理事。文部科学省「外国語教育における『CAN-DOリスト』の形での学習到達目標設定に関する検討会議」、「中央教育審議会中等教育分科会教育課程部会外国語ワーキンググループ」、「学習指導要領等の改善に関わる検討に必要な専門的作業等(中学校外国語)」協力者。全国各地で教員向けの講演を多数行う。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』、『中学生からの勉強法』(以上文藝春秋)、『中学校新学習指導要領 英語の授業づくり』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』、『到達目標に向けての指導と評価』(以上教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)などがある。

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