第24回:英文法をものにする学習法<中学生編>

本多 敏幸(ほんだ としゆき)
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文法とは文の決まりです。今回は「中学生編」、次回を「高校生編」として、連続で文法を学習するコツを紹介します。文法を習得しなくては英語の実力アップは見込めません。「文法は苦手」という人も、この方法で使える文法をしっかり身に付けていきましょう。

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英語の「文法」とは?

 

英語における文の決まりで、一番大切なものとは何でしょう? ヒントは、「これを間違えると相手に伝わりません」。

 

答えは「語順」=「文の中の単語の並べ方」です。

 

聞くときでも、話すときでも、読むときでも、書くときでも、英語では語順を意識しながら内容を理解したり、伝えたりします。例えば、Bob likes Lucy.「ボブはルーシーが好きです」とLucy likes bob.「ルーシーはボブが好きです」のように、同じ単語でも並べ方が違うだけで主語と目的語が逆になり、意味はまったく異なってしまいます。

 

語順の次に大事なのは、「動詞」です。動詞の形を変えたり、動詞に他の語句を付け加えたりすることで、時制を表したり意味を加えたりできます。

 

例えば、I use a computer.「私はコンピューターを使います」は現在形の文ですね。この文では、「時」はあまり意識せずに、単に「コンピューターを使う」ということを相手に伝えています。

 

I used a computer.「私はコンピューターを使いました」というように、usedを使うことで、過去の出来事であることを相手に伝えることになります。

 

英語の文法学習は、主に語順と時制の学習ということになります。大切なのは、英文の最初には主語と動詞を置き、目的語や補語、修飾語句(時、場所、理由などを表す語句)を文の中の適切な場所に置くルールを知っていることです。そして、知識として知っているというだけでなく、それらを使えることがもっと重要なのです。

 

では次に、具体的な方法を説明します。今回は、英語を習い始めて数年の中学生にしてもらいたい学習法です。

 

 

 

文法の学習法

 

【その1】 語順の「感覚」を身に付けるには

 

英語を習いたての人が作る英文は、Yesterday went to Yokohama.「昨日横浜に行った」のように主語がなかったり、あるいは動詞がなかったりすることがよくあります。

 

英語に慣れてくると、英文の最初の[主語+動詞]の部分はあまり意識しなくても出てくるようになります。しかし、そこまで到達するまでにはかなりの練習が必要です。

 

語順の感覚を身に付けるには、音読が一番の練習法です。さらにRead and Look up(1文を黙読した後に、文字から目を離して言ってみる)を行いながら、英文を覚えるくらい練習することで、語順がだんだんと頭に入ってきます。

 

My father sometimes in the kitchen.「父は時々キッチンで」のように、動詞が欠けている英文を読んだり聞いたりしたときに、「おや、何か違う」と感じとれるくらいになれると英語の文法に慣れてきていると言えます。

 

英文を書くこと(写すこと)も語順を身に付ける良い練習になります。英文を書く際は、英文を見ながら写すのではなく、英文を言ってから書くようにすると効果的です。このことは、「第13回:教科書をしっかり活用しよう ~キーセンテンスを確実に覚える~」と「第14回:特に大切! 効果的な『復習』の方法」で説明しているので、参考にしてください。

 

 

【その2】 学校で習った文法をどのように練習するか

 

教科書に載っているキーセンテンス(基本文)は、その単元で新しく習う文法事項の文となります。

 

例えば、Bob is going to visit his aunt next Sunday.「ボブは次の日曜日に彼の叔母を訪れる予定です」がキーセンテンスだとします。この文の場合、be going to(動詞の前に置いて「予定」などを表す)が新しく習う文法事項です。

 

この文を何度も書いて覚えるという練習も大切ですが、これを自分のことに当てはめ、2文以上で書いてみることをお勧めします。

 

≪例≫
We are going to practice tennis every day after school. We have a tennis match next Sunday.

「私たちは毎日、放課後にテニスを練習する予定です。次の日曜日にテニスの試合があります」

 

この練習では、1文は新しく出てきた文法事項を使った文で書きますが、もう1文はどんな文でも構いません。つながりのある2つの文を自分で考えて書くことがとても大切なのです。教科書準拠の問題集(ワークブック)やプリントを行った後で、ぜひ行ってみてください。

 

なぜこうした練習が必要なのかをもう少し説明します。問題集などでは、新しく習う文法事項の文に的を絞って練習することになります。例えばbe going toのみを練習していると、それを使うことだけに気を取られてしまい、場合によっては、意味や、どのような状況で使うのかなどを考えずに機械的に練習してしまうことがあります。

 

英文の形に慣れるための練習としては有効ですが、文法を学習する目的は「自分で使えるようになる」ことです。だからこそ、少し慣れたところで、自分で文を作ってみることが大切なのです。

 

その際、新しく習う文法の表現を使った1文だけではなく、文脈を考えながら2つの文(または2文以上)で文章をつくることで、既に習った文法事項も含めて使う機会となります。これまで習った文法事項の中から、自分で考えて使用することで、しっかりと定着させられるのです。

 

今回は、基本的な文法の練習方法を紹介しました。次回は、高校生を対象とした文法の学習方法を紹介します。

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ としゆき)

PROFILE

千代田区立九段中等教育学校指導教諭。東京学芸大学大学院教育学研究科英語教育専攻修士課程修了。ELEC同友会英語教育学会会長。英語授業研究学会理事。文部科学省「外国語教育における『CAN-DOリスト』の形での学習到達目標設定に関する検討会議」、「中央教育審議会中等教育分科会教育課程部会外国語ワーキンググループ」、「学習指導要領等の改善に関わる検討に必要な専門的作業等(中学校外国語)」協力者。全国各地で教員向けの講演を多数行う。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』、『中学生からの勉強法』(以上文藝春秋)、『中学校新学習指導要領 英語の授業づくり』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』、『到達目標に向けての指導と評価』(以上教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)などがある。

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