いよいよ4月。新しい学年になって受験を意識している方も多いかもしれませんね。そんな大学受験で知らないともったいない情報をお伝えしましょう。それは「英語外部検定利用入試」という仕組み。一度は聞いたことがありませんか? この仕組みを使うとどんなふうに大学受験が有利になるのか、6回にわたって解説します。
大学受験と一言に行っても、受験方法はいろいろ。さらに学校や学部によっては、意外な条件や優遇措置が用意されていることもあります。今回、紹介する「英語外部検定利用入試」もそんなひとつです。英検®やTOEFL®、TOEIC®といった外部検定のスコア(級)を持っていることで、受験を有利に進めることができるというもの。しかもこの英語外部検定利用入試は、今では多くの大学で導入されているのです。
自分の実力を試すために検定にチャレンジすると同時に大学受験にも活かせる。これは受けて損はないでしょう! しっかりポイントをつかんで、志望校合格を目指してください。
大学入試でも英語4技能(話す、聞く、読む、書く)を重視
日本での英語教育は、これまで文法をメインに学ぶスタイルでした。そのため中学、高校、大学と10年間も英語を学んできたのに英語を話せない、聞き取れないといった弊害が出てきました。
そこで最近では、英語4技能、つまり「話す」「聞く」「読む」「書く」という4つの力を総合的に強化する授業へと見直されています。大学入試でも「読む」「書く」に重点を置いた試験内容から「話す」「聞く」「読む」「書く」の4技能を重視するため「英語外部検定利用入試」が導入されるようになったのです。
すでに多くの大学が個別に英語外部検定を利用した入試を実施し、年々その数は増加する傾向にあります。2024年入試で採用した国公私立大は全体の6割を超え、460校以上に上っています。
これを受けておこう! 大学受験に有利になる資格をチェック!
外部検定といってもいろいろありますよね。そんな数ある検定のなかから、大学受験で有利になる代表的な検定をご紹介します。
◆日本最大級の英語資格試験 英検®
試験問題は4技能のバランスを重視しています。すでに中学時代に受けたという方も多いでしょう。実用英語の力を測定する7つの級を設定し、外国語運用能力の国際評価基準であるCEFRに対応した英検®CSEスコアも発表しています。年3回受けられるのも特徴です。
◆世界各国で英語力の証明に使われている TOEFL®
これまでに世界中で4,000万人以上が受験していて、日本でも2000年のTOEFL CBT導入以降、130万人を超える受験者が利用しています。大学入試から海外留学、就職までグローバルに活用できます。4技能をバランスよく測定し、国際標準CEFR B1~C2に連動したスコアで評価。
◆世界160カ国で実施されている TOEIC®
「聞く」「読む」力を測る Listening & Reading Test と、「話す」「書く」力を測るSpeaking & Writing Test 、「話す」だけを測るSpeaking Testの3種類があります。総合的な英語コミュニケーション能力を測定し、990点満点のスコアで評価。さらに日常生活で活きた英語力を測定する2種類のTOEIC Bridge®Testsもあります。
◆留学や移住に使える世界的試験 IELTS
アイエルツと読みます。英語圏に留学、就労、移住を希望する人々の英語力(4技能)を測定する試験で、世界140か国、10,000以上の機関で採用されるなど国際的な認知度が高く、毎年300万人以上が受験しています。
◆大学で必要とされる英語力を測定する TEAP®
上智大学と日本英語検定協会が共同開発した、主に高校生を対象に大学入試を想定して作られた英語能力判定試験です。難易度の目安は、英検®準2級〜準1級程度。「大学教育レベルにふさわしい英語力」をより正確に測定するテストで、4技能で構成されています。
◆番外編
英語以外の資格もご紹介しましょう。漢検は、漢字能力を証明できる検定です。大学受験では2級以上で有利になり、級に応じて、点数加算や合否判定に考慮されます。このほか、数検(実用数学技能検定)や簿記、ITパスポートなども大学や学部によっては有利になる資格です。
志望する大学や学部、受験方法によっても有利になる資格は違います。募集要項などで事前に確認しておきましょう。
※各検定の受験者数等は「英ナビ!」調べ