読書の秋!英語小説を読んでリーディング力を伸ばそう

竹内みちまろ

リーディングスキルを伸ばすには多読が必要です。ある程度の基礎が身に付いたら、分からない単語や文法に出会っても立ち止まることなく、読み進めながら理解していくことができます。

読書の秋!リーディング力アップにも役立つ英語版小説

 

多読といっても、教科書や参考書や模擬テストなどの英文は分量が限られています。そういった教材の他に、「日常的に英語を多読できる最適な方法があればいいな」と思ったことがある人も多いのでは。

 

そこで今回は、楽しみながらリーディングスキルをアップさせたいという人に、オススメの方法をご紹介したいと思います。

 

 

 

英語で書かれた小説を読もう!

 

その方法とはズバリ、小説を英語で読むこと。初めての人は、ストーリーや登場人物をよく知っているものや、内容が難しくないものを選ぶと読みやすいでしょう。

 

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試験本番の長文読解では、細かい点で立ち止まるよりも、まずは全文を通読して大意を掴むことを優先する方も多いでしょう。それと同じ感覚で読み進めれば、ストーリーに引き込まれ、ページをめくることが待ち遠しくなるかもしれません。

 

英語学習は、せっかくやるなら楽しい方がいいですよね。英語小説は、勉強している感覚にならず楽しみながら読み続けることができます。多読を生活習慣にしてしまえば、リーディングスキルがどんどん上がっていくことでしょう。

 

 

 

英語小説は身近な場所で手に入る

 

英語で書かれた小説や日本の小説の英語訳版は、洋書が置いてある書店に行けば手に入ります。大きな書店では学習参考書のコーナーに並べられていることもあります。

 

Amazonなどのインターネット書店でも取り扱っており、電子書籍版を利用すれば安価での入手も可能。例えば、ヘミングウェイの「老人と海」の英語版の価格は、Amazon Kindle版だと、なんと「100円」です(2016年11月7日時点)。

 

 

 

オススメの作品は?

 

英語小説は無数にありますが、Amazonで購入可能な「ピアソンのグレイデッド・リーダーズ」シリーズの中から初級編、中級編、上級編に分けて、オススメの作品をピックアップしました。

 

ピアソンのグレイデッド・リーダーズは、本の難易度が「Easystarts」から「レベル6」までの7段階に分類されており、それぞれのレベルが英検級やTOIECの点数などに対応しているので、自分のレベルに合った本を手に取ることができます。

 

ピアソンのグレイデッド・リーダーズのレベルと、英検・TOEICの相関

 

  • Easystarts: 英検4級程度 / TOEIC 250点程度
  • レベル1: 英検4級程度 /  TOEIC 250点程度
  • レベル2: 英検3級程度 / TOEIC 350点程度
  • レベル3: 英検準2級程度 / TOEIC 400点程度
  • レベル4: 英検2級程度 / TOEIC 500点程度
  • レベル5: 英検2~準1級程度 / TOEIC 600点程度
  • レベル6: 英検準1級程度 / TOEIC 730点程度

 

ピアソンのグレイデッド・リーダーズ 文法・テスト相関表 より

 

 

グレイデッド・リーダーズとは

英語を学習する人が、辞書を引かずに読書を楽しめるように工夫された多読用の英語教材シリーズのことです。具体的には、使用する単語や全体の分量、文法事項などが学習者のレベルに合わせて調整されています。世界的な出版社やメディアグループから、それぞれのグレイデッド・リーダーズのシリーズ本が出版されています。

 

ピアソンのグレイデッド・リーダーズとは

ロンドンに本部のあるピアソン社が出版しているグレイデッド・リーダーズのこと。タイトル数が豊富で、世界的なグレイデッド・リーダーズとして知られています。

 

 

 

<初級編> レベル1~2、英検3級~4級程度

 

 

20000 LEAGUES UNDER THE SEA(レベル1)

 

「海底二万里」などの邦訳で日本でも愛されている「20000 LEAGUES UNDER THE SEA」は、SFの父とも呼ばれるフランスの小説家、ジュール・ヴェルヌが1870年に発表したSF冒険小説です。極秘裏に建造された新鋭潜水艦、ノーチラス号の冒険を描きます。

 

 

 

 

ALICE IN WONDERLAND(レベル2)

 

「不思議の国のアリス」は土手で寝そべっていたアリスが、ウサギを追いかけて穴に飛び込んでしまうことで始まる冒険小説です。アリスは、チェシャ猫、トランプの兵隊などと出会います。アリスが出会ったキャラクターたちが、英単語が持つ複数の意味をひっかけてアリスに会話を投げかけ、アリスが学校で習った知識を総動員して答える場面などもあります。英語を楽しく学びたい人にはオススメです。

 

 

 

 

GULLIVER'S TRAVELS(レベル2)

 

「ガリヴァー旅行記」は、アイルランドの作家、ジョナサン・スウィフトにより仮名で執筆された風刺小説。イギリス人やイギリス人社会への批判的な視点が込められていたため、大きな改変を加えられ、1726年に初版が出版されました。1735年に完全版が出版。出版されると同時に大人気となり、現在に至るまで版を重ね続けています。

 

Penguin Readers: Level 2 GULLIVER'S TRAVELS (Penguin Readers, Level 2)
Jonathan Swift
Pearson Japan
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<中級編> レベル3~4、英検準2級~2級程度

 

 

HAMLET(レベル3)

 

「ハムレット」はシェイクスピアによって書かれた戯曲。デンマーク王子・ハムレットが、王位を奪った叔父を討つ復讐劇です。「ハムレット」に「マクベス」、「オセロ」、「リア王」を合わせて四大悲劇と呼ばれます。原書で読むと、「To be or not to be; that is the question.」のフレーズに何を感じるでしょうか。

 

Penguin Readers: Level 3 HAMLET (Penguin Readers, Level 3)
William Shakespeare
Pearson Japan
売り上げランキング: 20,271

 

 

 

MURDER ON THE ORIENT EXPRESS(レベル4)

 

「オリエント急行殺人事件」や「オリエント急行の殺人」の邦題で知られる長編推理小説で、イギリスの小説家でミステリーの女王と呼ばれるアガサ・クリスティによって1934年に発表されました。2015年1月には、テレビドラマ版が2夜連続で放送されました。

 

Penguin Readers: Level 4 MURDER ON THE ORIENT EXPRESS
Fiona Beddall Agatha Christie
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1984(レベル4)

 

「1984」は、イギリスの作家、ジョージ・オーウェルによって1949年に発表された小説です。スターリン体制下のソ連を連想させる全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いています。「英語で書かれた20世紀の小説ベスト100」(ランダム・ハウス、モダン・ライブラリー)、「史上最高の文学100」(ノルウェー・ブック・クラブ)などに選ばれた20世紀の傑作のひとつです。

 

Penguin Readers: Level 4 1984 (Penguin Readers, Level 4)
George Orwell
Pearson Japan
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<上級編> レベル5~6、英検準2級~準1級程度)

 

 

WUTHERING HEIGHTS(レベル5)

 

「嵐が丘」の邦題で知られる「WUTHERING HEIGHTS」は、イギリスの小説家、エミリー・ブロンテによって1847年に刊行されました。嵐が丘を舞台とした、ヒースクリフと、若くして死んでしまった恋人のキャサリンの悲運の愛を描きます。作者の存命は評価が厳しかったのですが、没後に広く読まれ、現在では、「世界の三大悲劇」のひとつと称されることもあります。

 

Penguin Readers: Level 5  WUTHERING HEIGHTS (Penguin Readers, Level 5)
Emily Bronte
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THE BODY(レベル5)

 

映画「スタンド・バイ・ミー」(1986年)の原作「THE BODY」は、アメリカの小説家、スティーヴン・キングの小説です。心に傷を持った4人の少年が、線路づたいに“死体探し”の旅に出るひと夏の冒険を描いています。

 

Penguin Readers: Level 5 THE BODY (Pearson English Graded Readers)
Stephen King
Pearson Japan
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Les Miserables(レベル6)

 

「レ・ミゼラブル」は、フランスの小説家、ヴィクトル・ユーゴーによって1862年に執筆された世界的名作。パンを盗んだために19年もの間、監獄生活を送ることになった男、ジャン・ヴァルジャンの生涯を描く大河小説です。銀の食器を盗んだヴァルジャンを前に、司祭が「食器は私が与えたもの」と憲兵に告げ、さらに銀の燭台をもヴァルジャンに差し出すエピソードは日本の教科書などにも採用されています。

 

Penguin Readers: Level 6 LES MISERABLES (Penguin Reader, Level 6)
Victor Hugo
Pearson Japan
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英語の文章を読むことは当たり前になる?

 

現在、日本の教育制度は、変革の時期を迎えています。2020年には大学入試センター試験が廃止され、暗記や解き方の習得だけでは対応できないとされる新たな試験「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が導入されます。

 

英語学習では、生涯に渡り英語4技能(聞く・読む・話す・書く)を積極的に使いこなせる人材の育成が最重要視されています。英語教育の目的が、学校や塾の教室だけではなく、日常生活の中で英語を「聞いて理解できる」、「読める」、「話せる」、「書ける」人材の育成に変わってきているということなのですね。

 

今後、英語の文章を読むことは特別なことではなく当たり前のこととして英語学習の中で求められてくるのかもしれません。

 

何事も最初の一歩が大切です。英語で書かれた本を読みこなせるようになるためにも、英語小説からはじめてみてはいかがでしょうか。

 

 

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