【下】英語で自分の意見を伝えよう! ~2020年から英語教育が大きく変わる~

伊藤 太 (いとう ふとし)
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「英語で自分の考えを伝える」ことをテーマにしたシリーズの最終回は、スムーズに自説を展開させるのに役立つ「定番の便利フレーズ」と、さらに発信力を高めるために役立つ「定番の視点・観点」を紹介します。

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今回はシリーズ「英語で自分の意見を伝えよう!」の第3回(最終回)です。第1回はシンプルに自分の意見を伝える「サンドイッチ構造」を紹介し、第2回ではさらに説得が増す「定番の論理展開」について説明しました。

 

最終回にあたる今回は、前回紹介した「定番の論理展開」を上手く使いこなすのに便利な「定番の便利フレーズ」を紹介し、最後に、さらに意見に深みを持たせる「定番の視点・観点」とその使い方を取り上げます。

 

 

1. 定番の便利フレーズ

 

前回紹介した「定番の論理展開」の基本形は「立場の表明(端的な主張)+譲歩+主張+根拠+具体例+結論(主張の再提示)」でした。これらの各「論理パーツ」を提示する際に使い勝手のよい「定番の便利フレーズ」を紹介します。

 

 

【1】主張する際の便利なフレーズ

 

① 立場の表明(「序論」における端的な主張)

 

まずは自身の立場を明確にしておくと、これから自分が何を言おうとしているかが伝わりやすくなります。それでは、具体例を見ていきましょう。

 

In my opinion, / I think [don't think] that …
「私の意見では/私は…だと思う[思わない]」
I agree / disagree with …
「…に賛成/反対」
I partly agree with …
「部分的には…に賛成」
Basically, I agree / disagree with …
「基本的には…に賛成/反対」
I agree with … in principle.
「原則的には…に賛成」
I totally agree / disagree with …
「…にはまったく賛成/反対」

 

このように、単に賛成・反対を提示するだけでなく、partly「部分的に」in principle「原則的」basically「基本的に」など、「全面的ではないけれど」と「極端な主張を避ける」方法も覚えておくと便利です。

 

②「本論」での主張

 

ここでは、上記の「立場の表明(端的な主張)」で紹介したフレーズについて、二度同じものを使わないようにする、というのがポイントになります。また、その導入役として、以下の単語やフレーズを使うとよいでしょう。

 

However, / But / Yet,
「しかし…」

 

これらは簡単に主張を導くことができる便利な単語です。①のフレーズやこの後に紹介するフレーズの直前に使うのも便利です。ただし、基本的に書き言葉では特にbutを文頭、ましてや「段落の先頭」で用いるのは好まれませんので、howeverを使うのが無難です。書き言葉でBut…とするときは、Butの後ろにコンマを付けないように気を付けましょう。

 

However, in fact …
「しかし、実際には…」
On the other hand, there is a different opinion.
「一方、ことなる意見もある」
However, I have a rather different opinion.
「しかし、私はかなり違う見解を持っています」
To be honest, I am against …
「率直なところ、…には反対です」

 

 

【2】「譲歩」を導くのに便利なフレーズ

 

譲歩では自分の主張とは異なる考えを部分的に認めることが大切です。また、いかにも、「とはいえ/しかし…」と続くように聞こえることも重要です。それでは、具体例を見ていきましょう。

 

Of course, …
「もちろん…」
No doubt, / Undoubtedly, …
「疑いなく…」
It is true that …
「…は確かだ」
Seemingly, / It seems that …
「…のように思える」
Apparently, /It appears that …
「…のように見える」

 

これらは、いかにも「ある程度は認める」という印象を与えるのに便利なフレーズですね。

 

 

【3】「根拠」を導くのに便利なフレーズ

 

①問題点を指摘

 

先に「問題がある」ということを伝えておくと、②のように根拠を展開しやすくなります。

 

There are several problems.
「いくつか問題がある」
We should be careful before jumping to conclusions.
「結論に飛びつく前に慎重になるべきだ」

 

②順番に根拠を並べる

 

First, … Second, …
「第一に…、第二に…」
In addition, / Besides, / Moreover, …
「加えて/それだけでなく/さらに…」

 

③「具体例」を導くのに便利なフレーズ

 

具体例は「根拠を提示する際の強力なツール」です。根拠を提示する際に提示しましょう。大別すると「実際の事実、数字などの実例」と、「事実の反対や事実が継続した場合を想定する仮説」の二つを使うと説得力が増します。

 

また、具体例では「過去の現在や過去の事実」「実際の数字」など「実例」を示します。

 

<実例>
For example, / For instance, …
「例えば…」
It is estimated that …
「…だと見積もられている」
According to a recent survey[research] , …
「最近の調査[研究]によれば、…」

 

<仮説>
If / Unless …,
「もし…ならば/でなければ」
Without …,
「もし…がなければ」

 

 

【4】「結論(主張の再提示)」を導くのに便利なフレーズ

 

結論は主張の再提示です。根拠を受けて最後に主張を繰り返すことで、主張を強く印象付ける効果があります。

 

また、実は、大学入試や英検の英作文問題など語数指定がある場合に、「結論の書き方」が「語数の調整」に大いに役立ちます

 

1) 最も短いパターン(10語~15語程度)

 

a. 主張の再提示のみを行う。
「従って、〇〇である」

 

2) もう少し長いパターン(15語~30語程度)

 

b. 譲歩+主張 
「確かに●●ではあるが、やはり〇〇である」

 

c. 根拠+主張 
「従って、△△なのだから、やはり〇〇なのである」

 

3) 最も長くできるパターン(25語~40語程度)

 

d. 譲歩+根拠+主張

「確かに●●ではある。しかし、△△である。従って〇〇である」

 

このように、「残りの語数」を計算に入れて、a~dのパターンを選択すれば、簡単に語数調整ができるので、語数を気にせず安心して答案を書くことができます。

 

Thus, / In this way …
「このように…」
Thus, / Therefore …
「従って…」
In conclusion, …
「従って(結論としては)…」
All in all, …
「まとめれば…」
That's why …
「そういうわけで…だ」

 

上記の決まり文句に加えて、次の表現を使うのも効果的です。

 

We can say that / It can be said that …
「…だと言えるだろう」
It can safely be said that …
「…といっても間違いはではないだろう」

 

このように、定番フレーズにも短いものと長いものがあり、さらに、短い定番フレーズの後に長い定番フレーズを加え、「語数をかせぐ」こともできます。

 

 

 

2. 便利フレーズの使用例

 

ここではまず、提起された問いについて答える形で自身の考えを伝える方法を紹介し、それを踏まえて、次の「3. 定番の視点・観点」について触れていきます。

 

自身の考えの例文では、1.で紹介した定番の便利フレーズが使われているので、そちらについても確認してみてください。

 

<問い>
According to a research group, the number of overweight children in the U.S. has become about three times as large as that of 20 years ago. They listed several key factors that have resulted in this trend. The one that interests me most is that a certain kind of TV commercial has also tripled in number during these two decades. They are, in fact, advertisements for junk foods targeted at young children. What do you think? Should the government stop all advertisements for junk foods? Why or why not? Please explain your answer.

 

<問いの主旨>
アメリカでは肥満の子どもの数がこの20年で3倍になっていると同時に、同じくこの20年で子どもをターゲットにしたジャンクフードのテレビコマーシャルも3 倍になっている。政府はジャンクフードの広告を全面的に禁止するべきか否か。あなたはどう考えますか。理由とともに述べてください。

 

<自身の考え:例1>
I basically agree with this idea. I think that the government should take some necessary measures in order to protect children's health from harmful junk foods. First, most junk foods have been left unchecked. The government should be more responsible for this. Moreover, a proper guideline for junk food advertisements should be set up. This might greatly help decrease the number of overweight children. Thus, I think the government should make more of an effort to stop these harmful advertisements through proper regulations.

 

ここでは、基本的に賛成であること、そして政府は子どもたちを有害なジャンクフードから守るために必要な措置を講じるべきだと主張しています。その上で、今回もFirst, ~. Moreover, ~. と大きく二つの根拠を提示していますが、この二つに共通点があることに気が付きましたか。

 

初めの主張部分で、“the government should take some necessary measures.”(政府はいくつかの必要な措置をとるべきです。)という表現を使っています。しかし、この “some necessary measures”には具体性がなく、これだけでは説得力が不十分です。これをFirst, ~. Moreover, ~.でそれぞれ同様に shouldを使って具体的に、「どんなmeasures(手段)を取るべきなのか」を提示しています。

 

このように、初めにsome measuresと大まかな(抽象的な)提示をした後、そのmeasuresを具体的に示すという根拠の提示方法は、つまり、「抽象から具体」の根拠提示は大変よく使われる非常に有効な方法ですから、ぜひ使ってみてください。

 

また、結論を導くThurs,の後ろは主張の再提示になっています。最初の下線部とThurs,直後の下線部が似たような形と意味になっていることにも注目してください。

 

 

 

3. 定番の視点・観点

 

次にもう1つの「自身の考え」を紹介します。

 

<自身の考え:例2>

I disagree with this idea. I don't think it's right to ban all advertisements of a particular kind. First, such a ban could start an undesirable pattern. The government could take advantage of it by using it as a basis for stopping any expression for any reason it wants. Clearly this could become a threat to freedom of speech. In addition, with respect to children's health, what we should consider first is education rather than regulation. We can teach our children what is good for their health and what is not. If we rely too much on the government and its regulations instead of on our own education, children might never learn to protect their health on their own. That's why I disagree with this idea.

 

ここでは、簡単に「規制すべき」と考えがちな問題について、「言論の自由」“freedom of speech”と「教育」“education”というどちらも我々にとって極めて重要な観点から「規制すべきではない」と議論を展開しています。

 

このように、テーマが何であれ、言論の自由や教育などのように「誰にとっても重要な社会的視点・観点」つまり、「定番の視点・観点」から意見が言えれば、それはいつでも使える決め台詞になります。実はこうした「定番の視点・観点に基づいた決め台詞のパターン」を増やすと一気に英語での発信力が上がります。

 

皆さんも、社会的に重要な視点・観点に着目し、そうした観点から考察を深め、意見が言えるようにしておくことをお勧めします。

 

他の使いやすい「定番の視点・観点」は、環境、差別、格差、いじめやハラスメント、経済、文化的多様性など、様々です。自分が興味を持ちやすい視点・観点から書かれた英文を読み、それらを取り込んだ上で、「自分の言葉で」発信できるようにしてみましょう。

 

本シリーズでは、「英語で自分の考えを伝える」ことをテーマにしました。今回の第3回では、第1回、第2回の内容を踏まえ、スムーズに自説を展開させるのに役立つ「定番の便利フレーズ」を紹介し、さらに発信力を高めるために役立つ「定番の視点・観点」を取り上げました。

 

本シリーズをもう一度通読して、ご紹介した「便利ツール」をぜひとも実際に使ってみてください。皆さんの「英語で自分の考えを伝える力」が大いに向上することを期待しています。

 

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この記事の筆者について

伊藤 太 (いとう ふとし)

PROFILE

株式会社Weness 代表取締役社長。大手予備校・有名進学塾等で英語講師を務め、東大クラス・医学部コース等を担当。作成した教材から東大・筑波大等の入試長文問題を的中。コーチングを取り入れた研修方法を確立し、数多くの講師・教員の授業力・授業アンケート向上に寄与。現在、多数の私立学校にコンサルタント、アドバイザーとして関わるとともに、ネイティブスピーカーを含む学校教員・予備校講師(100名超)のコーチを務める。

著書に「基本の78パターンで 英会話フレーズ800」「使える動詞だけ覚えなさい! 英会話フレーズ700」(ともに西東社)、「いちばんわかりやすい 英検準2級まるごと問題集」「いちばんわかりやすい 英検3級まるごと問題集」(ともに高橋書店)、「はじめてのTOEIC(R) L&R テスト『先読み』と単語で730点突破!」(大和書房)など多数。

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