総合型選抜のことをもっと知ろう! 〜その1

現在の大学受験の主流は総合型選抜になりつつあると言っても過言ではありません。単純に大学受験のチャンスを増やすためだけでなく、大学で学ぶための基本的な力をつけるにも有効な入試方式です。そんな総合型選抜の現状について、総合型選抜に強い早稲田塾の中川敏和氏に話をうかがいました。

 

 

「探究学習」を利用して総合型選抜に挑戦しよう

 

2020年度の入試改革の前後から総合型選抜の受験者数が増え、塾・予備校だけでなく、中高一貫校でも総合型選抜対策を売りにする学校が目立つようになってきました。「今の高校2年生から、『総合的な探究の時間』となり、総合型選抜の活動報告の提出資料として、探究学習の成果を出しやすい環境になりました」と中川氏は話します。「コロナ禍でなかなかできなかったフィールドワークも、昨年あたりから徐々に行えるようになりました。また、オンライン学習がツール化したことで、高校生でも遠方での取材調査をメールやズームで行いやすくなり、研究手段が増えています」。ただし、与えられた研究テーマではなく、当事者意識を持ち、自発的に考えることができる自分自身の研究テーマを設定することが必要です。総合型選抜に探究学習を利用するのであれば、どうしたらブラッシュアップできるか、自分から先生に相談するなどして自分の環境に合わせて考える必要があります。

 

 

自分の「キラキラ」を見つけた人が合格できる!

 

中川氏によれば、総合型選抜の対策は、少しでも早く始めた方がよいとのことです。「本当の学びや学問の楽しさを知ることができるからです」。それは、自分が本当に学びたいことを見つけるきっかけにもなります。「中学生や高校1年生なら、今から好きなことを徹底的に追究すること。飽きるほどやり尽くしたら、次の興味に移ってよいのです。その繰り返しで、最終的に元の興味に戻ることもあります。たとえば、アニメが好きなら、ただ見るだけでなく、なぜ好きなのかを考えます。自分との対話を通して、自分の価値観が浮き彫りになり、自分はどういう人間なのかも見えてきます」と中川氏。その結果、総合型選抜に受かるのは「本人が気づいていなかった、自分のキラキラを見つけられた人」だそうです。「本人にとってはあたりまえすぎる趣味は、探究学習の課題になると思わなかったりしますが、アイドルでもゲームでもいいから掘り下げることで、研究対象として広がりを見せます」。総合型選抜を視野に、まずは身近な「好き」に取り組んでみてはどうでしょうか?

 

取材協力:中川敏和(なかがわ・としかず)氏

早稲田塾執行役員

 

 

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