間もなく共通テストの出願開始!その前に…。知っておきたい入試動向 〜その1〜

9月は毎年、共通テストの出願が始まる時期です。今年は9月25日からスタート。試験は1月なのに、出願時期は4カ月前とずいぶん早いため、高校3年生は大わらわしている頃でしょう。そんな受験モードに切り替わるこの時期、共通テストや一般選抜の入試の傾向や対策について連載します。

 

 

共通テスト離れの傾向にある私立大学の受験者

 

大学入学共通テスト、略して「共通テスト」は、2021年度入試から、名称も新たにセンター試験に代わって始まった試験です。独立行政法人 大学入試センターによって毎年1月中旬に実施され、国公立大学に進学を希望する人たちの基礎的な学習到達度を判定する以外に、私立大学でも「共通テスト利用入試」を導入しています。
名称の変更に伴い、注目されたのは、論理的な思考力を問う出題に転換したことでした。問題の性質が変わったことで、共通テストの利用にも変化が見えてきました。入試に詳しい代々木ゼミナール教育事業管理本部本部長・佐藤雄太郎氏によると「かつてのセンター試験より難易度が上がり、私立大学を専願とする受験生の共通テスト離れが始まっています。問題の質が私立大学の独自試験とかなり異なるからで、2023年度入試ではより顕著になってきました」とのことです。ただし、国公立大学の志願者数には、あまり大きな変化は見られないそうです。

 

 

一般選抜の志願者減で合格しやすくなっている?

 

共通テストと同様に、早ければ1月から始まるのが一般選抜です。私立大学の一般選抜の志願者数は、ここ3年間はずっと減少し続けています。その背景には、コロナ禍以降、一人あたりの受験校数が減っているという事情があります。
「コロナ禍前は、一人3〜5校は受験していたのが、今は1〜3校に絞る傾向にあります。本命とチャレンジ校を受け、滑り止めを受けるか受けないかという感じです。それでも、難関校に合格するのは今も難しいですが、全体的には合格しやすくなっていると言えなくもありません」と佐藤氏。
また、その中でも際立って志願者を減らしているのは女子大で、特に西日本でその傾向が強くなっているとのこと。
「女子大は元気な大学とそうでない大学の差が大きく、年内入試(学校推薦型選抜・総合型選抜)でできるだけ合格させようという動きの中で、特に地方の女子大で、一般選抜の志願者が激減傾向にあります」
他方、津田塾大学がトランスジェンダーの受け入れを表明したり(2025年度入試より)、学習院女子大が学習院大学への統合を発表したり(最短で2026年度より)、様々な動きが見られます。どうやら女子大は変革の時を迎えているのかもしれません。

 

取材協力:佐藤雄太郎氏

代々木ゼミナール教育事業管理本部 本部長

 

 

英ナビ!会員登録されていない方

SIGN IN 新規会員登録(無料)

MY NOTEBOOK

マイ単語帳へ