2024年度から英検®︎がリニューアル!気になる変更点は?

実用英語技能検定(英検)を運営している公益財団法人日本英語検定協会が、2024年度から英検®︎をリニューアルするとの発表がありました。3級以上の試験で問題形式を一部変更するという内容です。今回は、どのように変わるのかを詳しく解説していきます。お話をしてくれたのは、ELEC同友会英語教育学会会長で学習指導要領の改訂にも関わっている本多敏幸先生です。

 

 

なぜ英検®︎がリニューアルされることになったのか

 

2024年度より、英検®︎の問題形式がリニューアルされることになりました。なぜリニューアルが必要なのか、まずはその背景から説明していきます。
英検®︎の問題は文部科学省が告示している学習指導要領にある程度沿った形で出題されています。学習指導要領とは、学校教育の基準や目標などが掲載されているもので、これをもとに科目名や時間割が変わったり新しい教科書が作られたりしています。学習指導要領はおよそ10年に1度改訂され、直近では、小学校が2020年度から、中学校は2021年度から、高等学校では2022年度から順番に実施されています。
そして2024年度からは、小・中・高すべての学年で新しい学習指導要領に沿った授業が実施されることになるわけです。「すべての学年で改訂が実施されるのに合わせて、リニューアルされたのではないか」と本多先生は説明してくれました。

 

 

英検®︎リニューアルの狙いと主な変更点は?

 

今回のリニューアルの対象は1級から3級までで4級と5級に変更はありません。変更の狙いは上記の学習指導要領の外国語(英語)の内容に関わってきます。本多先生によれば「新学習指導要領では、聞いたり読んだりしたことをもとに、話したり書いたりする言語活動。また、『思考力、判断力、表現力等』の育成も求められる」そうです。つまりコミュニケーションを行う目的や場面、状況などから、何を相手に伝えなければならないのかを思考・判断して、適切に表現する力が求められているわけです。
これらを踏まえて英検®︎ではライティング(英作文)の問題が1題増えて、リーディングの語彙問題・長文問題の一部が削減されます。「書く問題が増えることで一次試験の3技能のバランスがよくなる」と本多先生。一次試験のライティングでは、これまでの問題に加え、級により、英語の文章を読んで質問に答えたり、こちらから質問したり、要約したりする問題が増えるほか、準1級の二次面接では、受験者自身の意見を述べる質問形式が若干変更されます。

 

 

大学入試を視野に入れ、英検®︎受験スケジュールをどう組むべきか。

 

大学によっては英検®︎を取得することにより、出願資格取得や英語試験免除、得点換算や加点などのメリットがあります。「英検®︎は学習指導要領に配慮された問題なので、高校に入ってすぐに英検®︎の勉強をすることで、普段の英語学習と受験対策にも役立つ」と本多先生はアドバイスしてくれました。また、「英検®︎は高校2年生の第3回までを目標することが鉄則」といいます。高校3年生の第1回を受験しても大学入試には間に合いますが、3年生になると英語以外の受験勉強が忙しくなります。そのため高校2年生までに、上位級の取得を目指すことが得策というわけです。
2024年度の第1回試験には新しい問題形式が導入され、その対策を行う必要も出てきます。もし不安でしたら、2023年のうちに英検®︎を受けておくことも手でしょう。上手にスケジュールを組んで良い結果を目指してください。

 

取材協力:本多敏幸先生

ELEC同友会英語教育学会 会長

 

 

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