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志望校を決める前に 一般選抜入試の傾向を知る 知っておきたい入試動向 〜その2〜

第一志望は決まっていても、滑り止めをどうするか、まだ迷っている高3生も、これから志望校を決める人、どうやって大学を選んだらよいのかわからない人も、まずは近年の一般選抜入試の傾向を知り、自分の軸をしっかり立てませんか? 入試動向についての連載第2回は、一般選抜入試の傾向について紹介します。お話してくださったのは、代々木ゼミナール教育事業管理本部本部長・佐藤雄太郎氏です。

 

 

一般選抜入試の志願者状況はどうなっているの?

 

一般選抜入試における志願者数ですが、国公立大学はほぼ例年並みと言えるでしょう。一方、私立大学はここ3年くらい続けて下がり気味です。その背景について、佐藤氏は「単純に受験者の人口減もありますが、一人あたりの受験校数が減っていること、年内入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)を選択する人が増えていることなども原因でしょう」と話します。
私立大学の共通テスト利用入試も志願者が減少しています。「共通テストを導入後、私立大学では出題されないような長文問題が共通テストに出るようになったので、私立大学向けの受験勉強が共通テスト対策に結びつかなくなりました。それだったら、私立大学向けの勉強に集中した方がよいと考える志望者が増え、共通テスト離れが進んでいます」。
理系と文系で見てみると、文系学部学科の志願者が軒並み減少傾向にあります。ただ、理系も決して人気とは言えず、かろうじて志願者数を例年並みに維持しているという程度で、いずれも受験人口の減少が影響しているようです。

 

 

時代的な人気の傾向はあっても、自分に合った選択をしよう

 

受験人口の減少の中でも、学部学科のトレンドはあります。国公立大学、私立大学ともに人気が高まっているのがメディカル系です。
「特に医学部、保健学系は増えています。コロナ禍で大変だった職業なので減るのかなと予想されていましたが、むしろ勉強のできる子が、少し頑張って受けてみようと考えるようになり、増加傾向につながったようです」。
メディカル系以外では、理学系の農水産系も若干、人気があります。その一方で、国公立大学、私立大学ともに際立って厳しい状況なのが、国際・外国語系だそうです。
「この3年間、コロナで留学できなかったという事情に加え、物価高騰も影響しています。観光業界も少しずつ戻してきていますが、受験生の目を観光系学部に向かせるほどには響いていません」。
社会で注目されているデータサイエンス系も、設置初年度は志願者が集まりますが、2年目、3年目以降は減少傾向にあります。言葉として注目を浴びていても、実際にはデータサイエンティストという名称での就業がほとんどないことに原因がありそうです。「ここ2、3年の推移を見てみると、結局、就職とどう結びつくのかわからず、それなら経営・経済・商学部でいいのでは? という選択になっているようです」。文系の志願者は全体的に落ち込んでいますが、その中で前年並みの志願者数を保ったのが、経済・商学系ということからも理解できます。
ここで紹介した傾向は、あくまで全体的な傾向です。同じ学部学科名でも、その大学の環境、教員によって学べることが異なる場合もあります。自分のやりたいことにつながるかどうか、しっかり調べて志望校や学部学科を選びましょう。

 

取材協力:佐藤雄太郎氏

代々木ゼミナール教育事業管理本部 本部長

 

 

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