私立大学の学費は、4年間で約500万円かかります。文系だともう少し安めですが、理系は高額になることが一般的です。入学金や授業料以外に、場合によっては留学やフィールドワークにもお金がかかります。経済的な理由で進学をあきらめることがないよう助けてくれるのが「奨学金」です。上手に活用できるよう奨学金について正しく知ることから始めましょう。
意外と知らない「日本学生支援機構」の奨学金
多くの人が利用している奨学金として代表的なのが日本学生支援機構の奨学金です。世帯収入や資産状況によって、奨学金が給付されるだけでなく、収入に応じて授業料や入学金の免除または減額もあり、学生の立場にたった内容です。海外留学支援の他、2024年度からは「多子世帯」「理工農系」の支援も拡充されています。
奨学金の条件には、保護者の年収が関係してきます。日本学生支援機構のホームページには、資金計画を立てるためのシミュレーションができる「進学資金シミュレーター」があるので、アクセスして、自分が奨学金制度の対象になるか確認してみてください。
注意したいのは返済不要の給付奨学金の他に、返済が必要な貸与奨学金があることです。その場合、「いずれは返済する」という負担があることを考えて検討しましょう。
他にも自治体や民間の財団の奨学金がありますが、条件があっても人数制限のない日本学生支援機構の奨学金と異なり、採用人数に限りがあります。
大学独自の奨学金制度があなどれない!
様々な世界情勢に翻弄され、混迷する日本経済の中で、就職後に長期にわたって奨学金を返済し続けられる保証はありません。生活費を圧迫し、負担になることも。できることなら返済義務のない給付型の奨学金を利用したいものです。
そこで検討してほしいのは、各大学が独自に設けている奨学金です。大学の奨学金には、入試の成績優秀者を対象に授業料が免除・減額になるもの(入試出願時に申請)や、毎年成績優秀者を精査するもの(毎年4月〜5月に申請)などあります。
また、海外留学や何かしらのプロジェクトを行う学生を対象にした奨学金を設けている大学も少なくありません。さらに、大学の広報部のスタッフとして働くことで奨学金がもらえるワークスタディ奨学金や被災地出身者を対象としたものなど様々な奨学金があります。
まずは自分のやりたいことを明確にし、自分に合った奨学金を探してみましょう。