前回は総合型選抜の傾向と今後の動向についてお伝えした上で、まずは第一歩として「自分史」のつくり方を紹介しました。次のステップとして、自分のことを知った上で将来、自分がやりたいことを見つけるための方法についてとりあげます。引き続き、指南してくれるのは、総合型選抜に強い早稲田塾の中川敏和氏です。
自分史をつくったら、大学での学びにつながる探究を深める
前回、お伝えした「自分史」はつくってみましたか? そこまでできた人は、やりたいことまでは見えなくても、自分が何に興味があるか、どんなことに価値を感じてきたかは、何となくわかってきたのではないでしょうか?
中川氏はこの自分史を使って、「自分の価値観が見えてきたら、それをやりたいことに結びつけます。そして、最初は上手に書けなくてよいので、まずは一度、志望理由書を書いてみることです」と教えてくれましたよね。さあ、次のステップです。
「自分史によって自分を知ったら、次は大学で学びたい研究テーマという“未来”を考える作業に入ります」(中川氏)
最初に書いた志望理由書はあくまで未来を考えるための「たたき台」であり、自分の文章力、表現力の現状を知るための一歩です。また、どんなに文章が上手な人でも、まだまだ「合格=大学とマッチング」できるだけのアピール材料は揃っていないでしょう。
では、どうやってアピールする材料を揃えたらよいのでしょうか? その一つが、探究学習です。
探究学習に力を入れている高校では、低学年時にグループで探究学習を行い段階的に個人で探究学習を行います。また、なかには決められたテーマでのグループ学習を行う高校もあります。探究学習を進める際に自分が追究したいことでなければ、大学の志望学部学科とうまく結びつけられず、総合型選抜でアピールすることは困難になります。
自分のやりたいことを明確にしながら、アピール材料を揃えられる!
学校の探究学習でなくても、自分で動ける人はよいでしょう。でも、なかなか一人でスタートできない人もいます。そんな時に活用したいのが、学外の探究学習系のイベントです。いくつか興味あるイベントに参加することで、自分のやりたいことを明確にすることもできます。
しかし、中川氏によると「どうやって探究学習系のイベントを探したらよいのですか?」と聞かれることが多いそうです。
「早稲田塾のサイトでも一覧にして紹介していますが、高校生を対象とした課外活動はたくさんあります。本塾で勧めているのは、主に大学で行われるプログラムです」(中川氏)
◆早稲田塾「高校生のための課外活動まとめサイト」
https://www.wasedajuku.com/sns/aosuisen_uni/tankyumatome
同サイトでは、大学主催のプログラミングや文学、科学研究など各種コンテスト、理系分野の公開講座などが応募の締め切り日とともに紹介されています。高校1年生以下なら、来年の応募に備えて、今からじっくり予定を立てておくのもよいでしょう。自分の「好き」を究めるためのきっかけにしてください。
次回は、いよいよ最終回です。探究活動を大学生活につなげるために、また大学とのミスマッチを防ぐために「大学を知る」ことについてお伝えします。

