ほとんどの高校では、高校2年生から文系と理系に分かれたクラス編成となり、それぞれの大学入試に即したカリキュラムが提供されます。高校生の中には「文系も理系も得意で関心がある」という人もいるでしょう。悔いのない選択をするために文理選択のポイントについて知っておきましょう。
文系に見える職業にも理系要素がある!?
高校2年生から文理選択を行う高校では、高校1年生の2学期に希望を出すことになります。多くの高校生は、教科の得意不得意から「自分は文系」「自分は理系」と考えていて、すんなり希望を出せるかもしれませんが、中には迷う人もいます。そんな人は、まず「大学で何をしたいのか」「将来はどんな職業に就きたいのか」を考えることから始めてください。高校1年でそこまで考えられないという場合は、「一番わくわくすること」から考えてもよいでしょう。そこまで考えられたら、そのためにはどちらの学びが有効なのかを検討します。
この方法は、「自分は文系だから」「理系だから」と文理選択決めている人にも実は必要です。なぜなら、文系だと思っていた仕事に、理系の要素が含まれていることや、その逆もあるからです。たとえば公認心理師や臨床心理士などの心理職や管理栄養士。文系から志望する人も少なくありませんが、いずれも科学的な知識や計算が必要で、理系の要素が強い仕事です。また、理系と思われがちなシステムエンジニアは、実は文系から就職する人も多く、文系の知識が求められることもあります。
いざ進学・就職した時に、知識が不足していては人一倍努力が必要になります。今から将来について考え、自分の志望する方向にどんな学問が必要なのか、どの学部学科が最適なのか、その学部学科の入試科目や、入学後に求められる科目の知識について調べておくことをおススメします。大学入学後に必要な科目も意識するのは、たとえば医療職に就くために理系クラスを選んだのに、物理を選択しなかったら大学で苦労したというケースがよくあるからです。
今のトレンド「文理融合」に向けてバランスのよい学びを
ここまで「文系」「理系」に分かれて学ぶことを前提にしてきましたが、実は最近の学問や学部学科には、文理融合型のものが増えています。たとえば、地球規模の課題に対して、文系と理系の両方からアプローチして解決する学部が静かに注目されつつあります(例:九州大学共創学部、お茶の水女子大学共創工学部など)。また、グローバル基準の教育を目指す大学では、国際的な環境で文理横断型の教育が行われています(例:国際教養大学国際教養学部、立命館大学グローバル教養学部など)。
「情報」が必修になりましたが、大学でも文系理系に関わらず、1年次に学ぶ共通科目で「データサイエンス」など情報系の学びが必ずあります。これは、社会が共通して求めるスキルであり、文系の研究にもデータ分析力などが必要だからです。一方で、理系でも課題解決に必要な読解力や表現力など、文系で鍛えられる力が求められるようになりました。
そのため、まだ少数ではありますが、文理選択をせずにどちらもバランスよく学ぶカリキュラムを組んでいる進学校も出現しています。文理選択のある高校の人も、どちらも毛嫌いせずに、文理に分かれても自分の進路に合う科目選択をしてください。
