世界の教育から考える「自分に合う学び方」

高校生の皆さんの多くは、卒業後の進路についていろいろ考え、模索している最中でしょう。日本の大学進学率は約6割です。専門学校など各種高等教育を含めると約9割の人が進学しています。進学することを前提に高校生活を送る人がほとんどの日本ですが、世界の学びに触れて、広い視野で自分の学び方を考えてみませんか?

 

 

高校卒業後の進路は「みんなちがって みんないい(※)」

 

日本の大学生が海外留学したり、海外からの留学生と仲良くなったりして驚くことの一つに、海外の大学生の年齢の幅や多様な経歴があります。「一度、社会に出てから大学に入った」「留学先の大学から、さらに日本に留学した」「大学卒業後に、別のことを学ぶためにまた大学に入った」「世界を放浪してから大学に入った」という人に出会うことがあるからです。

海外には大学の授業料が無料という国もありますし(対象・条件は様々で、留学生も無料になるケースも)、就職時に求められるスキルや学歴、就職活動のスケジュールが日本と違うということなども関係しますが、それにしても日本とはあまりに異なるのびやかで自由な学び方に、カルチャーショックを受ける日本人大学生は少なからずいます。

皆さんは、やりたいことが見つかる前から「まわりが行くから」という理由で「高校を卒業したら大学へ」と考えていませんでしたか? 周囲の人に流されて進学してしまうと、大学入学後も「就職のためにインターンシップに行って、コネクションを作って、ガクチカづくりに精を出して……」と日々、就職を目的とした勉強に走ってしまうかもしれません。

「みんなの当たり前」が自分に合っているか、一度、国際的な視野で考えてみてはいかがでしょうか?

 

 

世界幸福度ランキング上位の国のユニークな教育とは?

 

国によって様々な教育システムや考え方があり、ここではそれを一つひとつ挙げて比較はしませんが、学び方、生き方の参考になるようユニークな海外の教育を紹介しましょう。

それがデンマークの「フォルケホイスコーレ」です。デンマーク各地に約70校もあり、全寮制の成人教育を行う機関で、誰でも試験なしで入学でき、学生と教員が共同生活をする中で、民主主義的思考を育て知の欲求を満たす場とされています。

17.5歳以上なら誰でも入学できるので、年齢の幅は実に多彩です。英語を公用語とする学校もあるので、海外からも多様な人々が学びに来ており、なかには大学を休学して留学する日本人学生もいます。

日本の教育現場の多くでは今、「社会に求められるスキル」が教育目標となっていますが、フォルケホイスコーレは、多彩な分野から純粋に自分の興味関心を追究できます。学びながら「自分探し」ができ、全寮制がもたらす共同生活で生まれる「対話」がとても大事にされているのが特徴です。

実はフォルケホイスコーレのような教育は、ノルウェーやフィンランド、スウェーデンなど北欧や、その周辺国にもあります。「世界幸福度ランキング」で毎回上位を占めるのが北欧各国であることと関係があるかもしれませんね。

一方で、日本でも「国際バカロレア(IB)認定校」や「ケンブリッジ国際認定校」として、従来の講義型中心ではない国際基準の教育を実施している高校も増えています。これらの国際的な教育には、地球市民として自分の生き方を考えるヒントがたくさんあると言えるでしょう。

学びは一生続けるものです。どのタイミングで、何を、どこで、どう学ぶのか。世界の学び方を知り、「自分に合う学び方」のカスタマイズができたら、豊かな人生を送る一歩になりそうです。



※金子みすゞ作『私と小鳥と鈴と』より

 

 

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