共通テストおよび一般選抜の戦い方①

毎年9月は共通テストの出願が始まり、多くの受験生が「いよいよ入試が始まるんだ」と実感する時期です。とはいえ、高3生にとっては初めての大学受験。不安もあるでしょう。そこで、2026年度入試を経て2027年度入試がどうなっていくのか、代々木ゼミナール教育情報センター 教育情報室室長・木戸葵氏にお話をうかがいました。これから3回に分けてお届けします。

 

 

2026年度入試における共通テストと一般選抜はどうだった?

 

2026年度入試の共通テストを含めた一般選抜では、どんな傾向があったのでしょうか?まずは共通テストについて聞いてみました。

「新課程入試となって2年目の共通テストでは、平均点が下がりました。入試改革が行われると1年目の出題は易しくなり、2年目には難しくなると言われていますが、実際にその通りの結果でした。特に物理と数学の難化が目立ち、かなり平均点が下がっています。国公立大学の理系、特に最難関校で志願者数が減少したのは、理系科目の平均点の結果から準難関校や私立大学に流れたせいでしょう」(木戸氏)

志願者数については、どんな動きが見られたのでしょうか。近年、18歳人口は横ばいとはいえ、若干増加していました。それにも関わらず、共通テストの志願者数は減少し続けていましたが、2026年度入試では志願者が増加しました。

「長期的に見た場合の志願者の減少傾向は、総合型選抜など、いわゆる年内入試の人気が影響していたと思われます。ただ、既卒生の志願者数が、7年ぶりの増加となったことは注目したいところです」(木戸氏)

一方、私立大学は2年連続で志願者数が増えており、今年は10%の増加でした。しかし、私立大学の人気が高まっていると考えるのは早計です。その背景についても理由がありました。

「志願者数は延べ数になっているため、実数より多くなるからです。最近の私立大学では、共通テスト利用入試の学内併願で検定料を無料にするケースも多く、1人の受験生が複数の学科を志願しているという事情もあります。もっとも共通テスト利用入試を導入している私立大学は、年々減少しています。私立大学の志望校が、自分の受験する年にも共通テスト利用入試を実施するかどうかを早めに確認することが大切です」(木戸氏)

また、「大学の収容定員厳格化によって、合格者数が以前より絞り込まれています」と木戸氏は話します。模試で合格圏内の大学でも不合格になるケースもあるので、最後まで気を緩めずに勉強に励む必要がありそうです。

 

 

2026年度入試に人気だった学びの系統はナニ?

 

今、人気の学びは何なのでしょうか? 志望学部学科を決める時、まわりに左右される必要はありませんが、まだやりたいことが見つかっていない人には参考になることもあるでしょう。2026年度入試の傾向から、社会で求められている学問が見えてくるかもしれません。木戸氏によると、2026年度入試でひときわ伸びが目立ったのが環境系の学部学科だそうです。

「立教大学の環境学部、成蹊大学の国際共創学部(環境サステナビリティ学専攻)など環境系の新設学部もできました。単純に環境を学ぶのではなく、環境を通してグローバルに世界を見るというコンセプトの新設学部が目立ちました」(木戸氏)

近年、注目されていたデータサイエンス系は、意外にも大きな伸びはなく、高止まりとなりました。

「ここ数年、新設の学部学科が増え続け、受験生にとっては選択肢が多くなり、分散した結果でしょう。そうは言ってもAIが注目される中、データサイエンス系の人材の需要はありますし、この分野に興味をもっている高校生も依然として多いと感じています」(木戸氏)

逆に志願者が減少した学問系統についても聞いてみました。すると、医療系や教育系など人材が絶対に必要な分野の志願者数が減ったそうです。

「医学科だけでしたら、志願者数はさほど変わっていません。藤田医科大学が学費を下げたり、慶應義塾大学医学部で新しく栃木県に地域枠を作るなどの動きはありました。しかし、医療系でも看護師や理学療法士など医療に携わるコメディカル系の学科や教育系の志願者は減少傾向にあります。社会に必要な職業なので、もっと評価される仕組みが作られるとよいのですが。音楽系も減少しましたが、芸術系の増減が激しいのは毎年のことなので、あまり気にしなくてよいでしょう」(木戸氏)

次回に続く。

 

 

取材協力:木戸葵(きど・あおい)氏

代々木ゼミナール 教育情報センター教育情報室 室長

 

 

英ナビ!会員登録されていない方

SIGN IN 新規会員登録(無料)

MY NOTEBOOK

マイ単語帳へ

HISTORY / 最近見た単語

履歴を消す