上智大学の「TEAP」への取り組みとTEAP利用型入試

竹内みちまろ
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大学入試で、英検やTOFEL・TOEICなど英語4技能に基づく外部検定試験が重視されています。中でも2014年に始まった「TEAP」が今、注目を浴びています。

上智大学の「TEAP」への取り組みとTEAP利用型入試

 

今回は、「TEAP」と「TEAP CBT」がどのような目的で作られたテストで、チャレンジするメリットがどこにあるのかを、TEAPとTEAP CBTを入試に採用している上智大学を例に挙げてご紹介します。

 

過去記事:高校生必見!大学受験の選択肢が広がるTEAPとは?

 

 

 

上智大学のTEAP利用型入試とは?

 

上智大学のTEAP利用型入試の概要から見ていきましょう。

 

上智大学のTEAP利用型入試とは、TEAPのスコアを提出すれば英語の入学試験を受ける必要がなくなり、国語や地理歴史・数学など学科の指定する1つから3つの選択科目(多くの学科は2科目)を受験するだけで合否が決定する入試方式になります。(第2次試験を実施する学科では第2次試験を経て合否が決定)

 

また、指定された選択科目が共通していれば、1度の試験で複数の学科に同時に出願することも可能です。TEAP利用型ではない従来の学科別一般入試との併願もできます。ただし、第2次試験を実施する学科間(神学部神学科、総合人間科学部心理学科・看護学科)での併願はできません。上智大学のTEAP利用型入試では、TEAPのスコアが基準スコアを満たしていることだけが必要となり、スコアの高低自体は合否の判定には影響しません。

 

つまり、事前にTEAPを受験し基準スコアを満たしておくことができれば、英語の入学試験を受ける必要がなくなり、国語・日本史・数学など、自分の得意科目で勝負することができるのです。

 

 

 

必要となるTEAP出願基準スコア

 

上智大学では、TEAP利用型入試の出願要件が総合点に加え4技能それぞれで基準スコアを満たしていることが、2017年度入試より全学科において必須となりました。そのため、TEAPの総合点が学科が求める基準スコアを超えていても、どれか1つの技能でも基準スコアを下回っていた場合、出願することができません。

 

2017年2月に開催される上智大学 TEAP利用型入試の「TEAP出願基準スコア」は、上智大学Webサイトの一般入学試験 (TEAP利用型) ページにて確認することができます。総合点が同じ学科は4技能の基準スコアも同じになるため、TEAP利用型入試での併願がしやすくなっています。

 

上智大学 一般入学試験 (TEAP利用型)

 

なぜ上智大学はここまでTEAPに力を入れているのか、目指すところは何処なのか、といった点をインタビューを通して見て行きましょう。 

 

 

なぜ上智はTEAPなのか?

4技能化は、将来を見据えた英語教育の観点から必然

 

201608jochi-01上智大学 学務担当副学長

藤村 正之

 

2017年度入試より、本学のTEAP利用型入試の出願要件は全学科において4技能を必須としました。それは、TEAP開発の背景を振り返ると自然な流れであり、本学の人材育成や日本の英語教育の未来を考慮したときに必然でもあります。

 

2013年以降、高校英語のカリキュラムは4技能全般を育成するよう改められました。TEAPは本学の高大連携における取り組みの1つであり、その4技能を適切に測定するテストとして本学と公益財団法人日本英語検定協会が共同で開発したものです。TEAPを一般入試に採用する大学も年々増え続けています。

 

高大連携の観点からもう1点お話しをすると、本学ではTEAPを入学後の英語教育でも活用しています。入学時のプレイスメント・テストと1年秋学期の終了時にTEAPを実施し、1年間でどれだけ4技能の力が高まったかを自分でチェックできる仕組みにしています。もちろんその間、4技能を高めるための必修科目「Academic Communication」を用意していますし、2年次以降は各自の目的にあわせた3つの選択科目群や交換留学などさらに自分の力を伸ばせる環境を整えています。

 

本学の入試について言うと、TEAP出願基準スコアを満たしていれば 国語や地歴歴史、あるいは数学や理科などの学科指定の2教科で判定をするので英語以外の自分の得意科目で勝負ができます。また出願基準スコアを見直し、総合点が同じであれば各技能のスコアが同じになるよう学科間での統一化を行いました。これによりTEAP利用型入試による複数学科への併願がしやすくなりました。

 

TEAPは決して特別なテストではなく、普段の勉強をしっかりやっていれば十分得点が取れるよう設計されています。これを読んでいただいた高校生の皆さん、ぜひTEAPを一度受けてみてください。そして本学の入試へのチャレンジをお待ちしています。

 

 

 

インタビューの中で藤村学務担当副学長は、TEAP開発は「本学の高大連携における取り組みの1つ」といいます。高校での英語教育の目標が、4技能全般を伸ばして実用的な英語力を身に付けることに改められているため、入試にTEAPを導入することにより高校での英語学習と大学での英語学習に一貫性を持たせたいと考えているということです。

 

実際に、上智大学では入学後もTEAPを利用して英語力を高めることができる仕組みが用意されています。

 

次のページ:受験チャンスが増える、TEAP CBTを採用

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