教育資金に関する調査結果、親が考える必要額と準備方法

竹内みちまろ

大学受験や進学、就職は、子どもだけではなく、親も計画的に準備を進める必要があります。中でも、一番大切といえるのはお金の問題かもしれません。

教育資金に関する調査結果、親が考える必要額と準備方法

 

 

ソニー生命が発表した「子どもの教育資金に関する調査 2017」では、未就学児の親が予想する、子どもが小学生から社会人になるまでに必要な教育資金の合計額が平均で「1,194万円」(ソニー生命調べ、以下同)であることがわかりました。

 

同調査から、子どもを持つ親たちの教育資金に対する意識や準備方法などを紹介します。(調査は2017年2月9日~2月13日の5日間、大学生以下の子どもがいる30~59歳の男女に対して実施)

 

 

 

社会人になるまでに必要な教育資金の合計額

 

未就学児の親 248名が、子どもが小学生から社会人になるまでに必要だと予想する教育資金を詳しく見てみましょう。

 

子どもが小学生から社会人になるまでに必要だと思う教育資金(1位~5位)
1位 1,000万円~1,400万円位 36.7%
2位 500万円~900万円位 17.7%
3位 2,000万円~2,400万円位 16.5%
4位 1,500万円~1,900万円位 7.7%
5位 3,000万円以上 7.3%
平均予想金額 1,194万円

 

1,000万円以上が必要と予想する親の合計は「68.6%」。うち2,000万円以上が必要と回答した親の合計は「24.2%」でした。約7割の親が1,000万円以上のお金が必要と予想し、4人に1人の親が2,000万円以上必要と考えている実態がわかりました。

 

また、平均予想金額は過去2年間減少していましたが、今年の調査では一転して上昇しました。

 

子どもが小学生から社会人になるまでに必要だと思う教育資金 (平均予想金額)
2014年の調査 1,229万円 -
2015年の調査 1,156万円 前年比 ↓
2016年の調査 1,136万円 前年比 ↓
2017年の調査 1,194万円 前年比 ↑

 

 

 

大学進学資金の準備方法は?

 

続いて、子どもを大学等へ進学させるための教育資金の準備方法を紹介します。

 

まず、高校生以下の子どもの親748名の回答では、「学資保険」、「銀行預金」、「財形貯蓄」が上位を占めました。以降は「生命保険(学資保険以外)」、「子どもの祖父母(自分の親や義理の親)からの資金援助」、「奨学金」と続きます。

 

子どもを大学等へ進学させるための教育資金を準備している方法
 学資保険 57.1%
 銀行預金 51.5%
 財形貯蓄 10.8%
 生命保険(学資保険以外) 9.6%
 子どもの祖父母(自分の親や義理の親)からの資金援助 6.0%
 奨学金 5.7%
 教育ローン 3.9%
 金融投資(株式投資や先物取引など) 2.5%
 子どもの祖父母(自分の親や義理の親)からの借り入れ 2.4%

 

「学資保険」は、4年連続で半数以上の親が進学資金として利用しています。

 

すでに子どもが大学等に入学している親245名に、大学等への進学資金をどのような方法で準備してきたか聞いたところ、上位の回答は、「銀行預金」(49.8%)、「学資保険」(38.4%)、「奨学金」(33.1%)、「教育ローン」(17.1%)となりました。

 

教育ローン、祖父母からの援助や借り入れ、財形貯蓄などを挙げる親もおり、様々な方法で大学等への進学資金を出していることがわかります。

 

 

 

1人暮らしの仕送りは毎月約5万7000円超

 

子どもが大学等へ進学した場合、親元を離れて1人暮らしをすることもあります。

 

調査では大学生等の子を持つ親と限定しているわけではありませんが、1人暮らしをしている子を持つ親は、平均で毎月「57,299円」をおこづかいや仕送りとして支出していると回答しています。

 

 

 

節約するのは、外食費・衣類・レジャーなど

 

「子どもの教育資金を捻出するために、節約している支出」を尋ねたところ、未就学児から大学生等を持つ親全体では、最も多い回答は「外食費」でした。以降は「衣類・ファッション費」(38.0%)、「レジャー・娯楽費」(36.5%)と続きます。

 

その中から大学生等の子を持つ親の回答をピックアップしてみると、「レジャー・娯楽費」(54.4%)、「外食費」(48.0%)、「衣類・ファッション費」(46.8%)が上位を占めました。

 

また、「レジャー・娯楽費」を節約すると回答した親の割合は、子どもが中高や大学に進学するに連れて増えています。

 

「レジャー・娯楽費」を節約すると回答した親の割合
子どもの就学段階 未就学児 25.4%
小学生 25.0%
中高生 40.9%
大学生 54.4%

 

 

 

大学等のための教育資金、半数以上が「親の義務」

 

「大学等のための教育資金を準備する理由」を尋ねたところ、「高校卒業以降の進学支援も親の義務だと思うから」(56.2%)が最多回答となり、半数以上の親が「子どもを大学等へ進学させること」を親の義務だと考えている現状がわかりました。

 

次いで、「子どもには色々な選択肢を与えてあげたいから」(49.3%)、「自分自身も親にしてもらったから」(33.9%)、「子どもにはお金のことを気にせず勉強に励んでもらいたいから」(30.8%)、「子どもには幅広い教養を身に付けて欲しいから」(28.0%)となります。

 

また、未就学児の親の57.3%が、「子どもには色々な選択肢を与えてあげたいから」と答えています。

 

 

 

親が子どもに願うのは、安定と社会的活躍

 

親たちは、子どもにどんな職業に就いてほしいと願っているのでしょうか。「子どもに就いて欲しい職業」を自由回答で尋ねたところ、「公務員」と「会社員」以外の回答では、医療・福祉・教育・研究関係が上位を独占しました。

 

子どもに就いて欲しい職業(自由回答)
1位 公務員 159件
2位 医師 37件
3位 会社員 29件
看護師 29件
5位 薬剤師 23件
6位 医療関係 19件
7位 教師 16件
研究者 16件
9位 福祉関係 15件
10位 保育士 11件

 

その職業を挙げた理由には、下記のような回答がありました。

 

公務員と回答(男性・中高生の親):「安定しているから」

医師と回答(男性・未就学児の親):「命の尊さに触れることができるから」

会社員と回答(男性・大学生等の親):「真面目にコツコツ働いて欲しいから」

看護師と回答(女性・小学生の親):「手に職を付けて欲しいから」

薬剤師と回答(女性・未就学児の親):「結婚しても長く続けられるから」

 

安定した人生を歩んでほしいと願うと同時に、社会貢献的な活躍をしてほしいと願っている親が多いようです。

 

 

子どもが大学を卒業して就職するまでには、少なくはない額のお金が必要になります。教育資金の捻出に頭を悩ませている方も多いかもしれませんが、子どもの将来のためにも、しっかりと準備を進めたいですね。

 

 

ソニー生命保険株式会社|子どもの教育資金に関する調査2017

 

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