第31回:スピーキング力を高めよう

本多 敏幸(ほんだ としゆき)
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英語を学んでいる多くの人は、自由に会話ができるようになりたいと思っているでしょう。会話をスムーズに進めるにはいくつかコツがあります。今回はスピーキング力を磨く学習のポイントを紹介します。

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会話の特徴とは?

 

日本語で人と会話をするとき、あなたはどのように話していますか?

 

スピーチのようにまとまりのあることを話すときには、話の構成(話す内容の順序)が大事になります。分かりやすく話すことによって、自分の言いたいことを聞き手にしっかりと理解してもらうためです。

 

しかし、会話はスピーチとは違い、一方的に話すものではありません。分からないことがあればお互いに確認しながら会話を進めることができます。

 

聞く側は、分からない点があれば「それって何?」「いつの話?」などと質問ができます。したがって、極端に言えば、話の構成など考えずに、どんなところから話し始めても、何とかなるのです。

 

例えば、「私は昨日、家族と大阪に行って、たこ焼きを食べたら、おいしかった」という話を伝えたいとします。このとき、すべての情報を一度に盛り込む必要はなく、まず「昨日大阪に行ったんだけど」とか「昨日、たこ焼きを食べたんだ」などといって話を始めるのが普通ですね。

 

相手から「え、そうなの」といった相づちや、「誰と?」といった質問が返ってきたら、情報を加えていきます。つまり、会話のときには、一度に多くの情報を述べずに、相手とキャッチボールをするように会話を進めていくことになります。

 

聞き手側に立ったときには、相手の話に反応(相づち、質問、感想など)をしなければ、会話が成り立ちません。

 

また、言い方にも特徴があります。友だちとの会話では、「あなたはそこへ誰と行ったのですか?」のような堅苦しい言い方はしません。ふつうは「誰と行ったの?」と聞きたいポイントを明らかにして、会話の流れが途切れないように短い文で言います。

 

英語の会話でも同じです。例えば、Who did you go with?「あなたは誰と行きましたか」と言うところを、Who with? / With whom?「誰と?」などの短い表現を使うことが多くなります。

 

会話を上手に行うコツは、話し手側としてだけではなく聞き手側にもあります。相手に適切な相づちや質問をすることが重要なのです。

 

 

 

会話がうまくできるようになるには…

 

【その1】 教科書や過去問で質問力を磨く

 

学校では、質問は先生が行い、生徒がそれに答えることが多いと思います。このことから、生徒の質問する力があまり育っていないと指摘する声もあります。

 

まずは、質問力を高める学習をしましょう。例えば、友だちが次のことを言ったとします。あなたならどのような質問をしますか?

 

I went to school last Sunday.
「日曜日に学校に行ったんだ」

一番聞きたいのは、日曜なのに学校に行った理由ではないでしょうか。そこで、For what?「何のために?」とかWhy?「何で?」などの質問ができます。

 

実際の会話では、On Sunday? 「日曜日に?」とか、Really?「ホント?」などと言葉をはさんでから、For what?「何のために?」と質問するかもしれません。

 

中学の教科書には対話文がたくさん載っています。教科書を確認して、登場人物が言ったことに対してどのような質問ができるのか、ノートに書いてみたり、実際に言ってみたりするのもよいでしょう。

 

また、数文のまとまりのある英文を聞いて、その内容について質問することもよい練習になります。

 

一例として、英検のリスニング問題を利用する方法を紹介します。英検の過去問のリスニング音源は英検のウェブサイトで聞くことができます。

 

試験内容・過去問(英検公式サイト)
https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/

 

英検4級から準2級のリスニング問題の第3部は、2~3文のパッセージを聞いて、その内容についての質問に答える形式になっています。英検の過去問の音声を使って練習をしてみましょう。

 

【1】リスニング問題第3部のパッセージを聞く
【2】話し相手がそのパッセージを言ったものと考え、その場で相手への質問を考える

 

例えば、2019年度第2回4級リスニングテストのNo.21は次のパッセージです。

 

Last night, I went to the baseball stadium with my father. We watched a game. I was happy because I met my favorite player.
「昨夜、お父さんと野球スタジアムに行ったんだ。試合を見たよ。大好きな選手に会ってうれしかったよ」

 

これに対して質問を即興で考えて言ってみます。例えば、

 

Where is the baseball stadium?
「その野球スタジアムはどこにあるの?」

How did you go there?
「どうやって行ったの?」

Who is your favorite player?
「大好きな選手って誰?」

Do you often go and watch a baseball game?
「よく野球の試合を見にいくの?」

などの質問ができますね。

 

 

【その2】 会話表現をたくさん覚えて使う

 

会話表現や会話の技術は学校で使っている教科書にもたくさん載っています。例えば、相づちの表現だけでも、次のような表現が載っています。

 

※(  )内は使われる状況や場面

Really?(驚いたときや興味をもっているとき)「本当に?」
Me, too.(自分も同じであるとき)「私も」
Me, neither.(相手も自分もそうではないとき)「私も」
I think so, too.(同意するとき)「私もそう思う」
I agree.(同意するとき)「そう思う」
That's nice!(喜びや感動を表す)「いいね!」
Oh, I see.(自分が理解していることを伝えるとき)「ああ、なるほど」
I don't think so.(相手とは違う考えをもっていることを伝えるとき)「そうは思わない」
That's too bad.(残念な気持ちを伝えるとき)「残念だね」

 

このような、会話特有の表現を覚えて、積極的に使ってみましょう。

 

会話には相手が必要です。学校の授業で、チャットやスモールトークなどの時間があれば、そこで練習できますが、もし行っていない場合には、友だちや家族に頼んで英語で会話をしてみるとよいでしょう。「そんなこと、頼めない…」と思わずにトライしてみてください。

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ としゆき)

PROFILE

千代田区立九段中等教育学校指導教諭。東京学芸大学大学院教育学研究科英語教育専攻修士課程修了。ELEC同友会英語教育学会会長。英語授業研究学会理事。文部科学省「外国語教育における『CAN-DOリスト』の形での学習到達目標設定に関する検討会議」、「中央教育審議会中等教育分科会教育課程部会外国語ワーキンググループ」、「学習指導要領等の改善に関わる検討に必要な専門的作業等(中学校外国語)」協力者。全国各地で教員向けの講演を多数行う。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』、『中学生からの勉強法』(以上文藝春秋)、『中学校新学習指導要領 英語の授業づくり』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』、『到達目標に向けての指導と評価』(以上教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)などがある。

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