英検などの英語資格を利用する英語外部検定利用入試(外検入試)。先月の「推薦型・総合編」に引き続き、今月は「一般選抜(旧:一般入試)編」として、2回にわたって外検入試の攻略法まで踏み込んで紹介しよう。
どのくらいの大学が利用していたの?
一般入試では、2016年に50大学だった外部検定利用校が、2020年入試では199大学と約4倍に増加。2021年“新入試”で、その数はさらに増える予定だ。大学入試において、英語外部検定の利用価値はますます高まっている。
どのように利用されていたの?
一般入試(2021年から一般選抜)での主な優遇は以下の3種類だ。
■出願資格
英語は出願資格として大学が設定した級やスコアをクリアすればよい。そのため英語で差は出ないが、私立大の入試では英語以外の1~2教科で受験できる場合が多い。
■得点換算、加点
優遇する外部検定レベルを細かく設定し、取得した級やスコアが高ければ換算点や加点も高くなる大学が多い。英語が得意な受験生には特にメリットが大きい。
一般入試で使える外部検定は?
外検入試でどの外部検定を採用するかは大学それぞれだ。志望校が決まっている場合は、どの外部検定を採用しているか、募集要項を確認しよう。まだ志望校が絞り込めていない場合には、多くの大学で採用されている外部検定を受けておくとよいだろう。
同じく「外部検定」と呼ばれる試験であっても、測定する英語力はそれぞれ異なる。「留学」や「ビジネス」向けの試験もあるので、受験の際には出題内容を確認することも大切だ。
このグラフは、一般入試で外部検定を利用した大学が、どの外部検定を採用したかを集計したものだ。すべての外部検定の中で最も採用率が高かったのが英検で、全大学の95%を占める。次いで、大学入試のために作られたTEAPも採用率が高まっている。
※2020年入試のデータをもとに集計。
※各大学にて外部検定を利用している一般入試全体を100として、それぞれの外部検定が採用されている割合を算出。
※TOEICはLRとLRSW、TEAPは2技能と4技能、GTEC(CBTを除く)は3技能と4技能を合算して算出。
※各外部検定の採用については、募集要項に記載されているものすべてを計上。「それに準ずる外部検定でも利用可」のような記載の場合は、すべての外部検定が採用されているとして計上。
どのくらいのレベルが必要?
このグラフは、2020年一般入試の外検利用で大学が求めた英語レベルを集計し、英検級に換算したものだ。大学が受験生に求めたレベルは、国際基準「CEFR」のA2~B1、つまり英検準2級(高校中級程度)と2級(高校卒業程度)で8割近くを占める。
一般選抜では、学校推薦型選抜(推薦型)、総合型選抜(総合型)より求められる英語レベルがやや高く、優遇を受けるには最低でも準2級、できれば2級がほしい。2級なら、利用できる大学が一気に広がる。
※調査対象は英検。外検入試で求められたCEFRレベル、スコアを級に換算。募集要項に級・スコアの指定がないものは除く。
※級・スコアに応じて段階的に優遇を行う場合、最もやさしいレベルのみを集計(例:「準2級=70点、2級=80点、準1級=100点」に換算する場合、準2級のみ計上)。
★『英語外部検定利用入試 2020』リストページ
https://www.ei-navi.jp/news/gaiken-nyushi_2020/list/
この記事は「螢雪時代(2020年9月号)」より転載いたしました。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
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