第12回(最終回) 自由英作文対策:まとまりのある文章の書き方【上級編】

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

入試でも自分の考えや意見を英語で話したり書いたりする力が求められています。そこで最終回の今回は、自分の考えを述べる自由英作文を書くコツを取り上げます!

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(前回の「第11回 自由英作文対策:まとまりのある文章の書き方【中級編】」はこちら)

 

 

 

【今回のお悩み】自分の意見や考えを述べる英作文が苦手…

 

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自分の意見を書く英作文が苦手です…。
何かルールはありますか? 上手に書くコツを教えてください!

 

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第10回から自由英作文対策として「まとまりのある文章を書く」をテーマにして練習してきたね。
3回目の今回は「自分の考えを述べる」をテーマにしよう。
早速、次のお題を読んで、訳してみよう!

 

Some people say that junior high school students should not have smartphones. Do you agree with this opinion? Write about your opinion with about 100 words.

 

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ええと、意味は「中学生はスマートフォンを持つべきではない、という意見の人がいます。あなたはこの意見に賛成ですか? あなたの意見を100語程度で書きなさい。」です。

 

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そう。指示文が英語で書かれているね。まず、指示文の条件を正しく把握することが大切だ。
この場合、「中学生はスマートフォンを持つべきでないという意見に賛成かどうかを書くこと」、「100語程度で書くこと」の2つが条件となっている。試験では、条件に沿って書かれていなければ0点になることもあるんだ。

 

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0点になるなんて…。条件を正しく理解することは大事なんですね。

 

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条件には、誰に対して書くのか、いくつの段落で書くのか、いくつの理由を挙げるのかなどが示されていることもあるよ。
また、試験では問題を解く時間が制限されているから、これも条件と言っていいだろう。
じゃあ、この問題は何分くらいで解答を書くべきだと思う?

 

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何分!? 考えたことがなかったです。

 

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100語程度だったら15分間くらいで書き終えるのがいいね。
では、この15分間をどのように使うか考えてみよう。

 

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前回、すぐに書き始めてはいけないということを教わりました。書くことの整理をするために、まず最初に書く内容を考えます。

 

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いいね。2分くらいで書く内容を整理しよう。そして、書き終えた後に自分が書いた文章を読み直し、文法やつづりなどの誤りがないか、分かりにくいところがないかを確認することも大事だよ。これには3~4分かかるかな。

 

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だと、実際に書く時間は10分くらい…。
思ったより短いですね。

 

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100語程度だから、1分間に10語を書くペースだよ。

 

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そう考えると書けそうです!

 

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では、文章の構成を考えよう。まず何を書くべきかな?

 

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まず、Junior high school students should not have smartphones. に賛成か反対かを書くべきだと思います。

 

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そうだね。それからその理由を書く。最後に結論を再び述べる。この構成が一般的で、読み手にも分かりやすいね。
では、理由はいくつ書いたらいいかな?

 

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3つくらいですか? 理由が多いほうが、説得力が増すと思うから。

 

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1つの理由を書くにも、補足説明や具体例などを入れると30語くらいは必要になる。だから、100語という条件であれば、2つ以内がいいだろう。1つに絞って書いてもいいくらいだよ。

 

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理由の数より、理由相手に分かってもらえるように書くことが大事なんですね。

 

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その通り。では、実際に15分間で書いてみよう。時計やキッチンタイマーを使って時間を測るといいよ。では、スタート!

 

 

 

【レッスン】 条件を正しく理解し、制限時間内にまとまりのある英文を書こう

 

<練習1> 次の指示文に書かれている条件をきちんと理解し、時間内に適切な文章を書きましょう。制限時間は15分間です。

 

Some people say that junior high school students should not have smartphones. Do you agree with this opinion? Write about your opinion with about 100 words.

 

2つの条件を正しく理解し、3つの構成を使って、制限時間15分以内に、まとまりのある文章が書けましたか?

 

2つの条件

  • 中学生はスマートフォンを持つべきでないという意見に賛成かどうかを書くこと
  • 100語程度で書くこと

 

3つの構成

  • まず賛成か反対かを書く
  • 次にその理由を書く
  • 最後に結論を再び述べる

 

 

<練習2> 続いて、あなたが文章を採点する側に立って、【例1】~【例3】の文章を読んで評価しましょう。修正するべきことがあれば指摘してください。

 

なお、【例1】~【例3】は、それぞれまとまった文章の一部分を抜粋して示しています。

 

【例1】
I agree with this opinion for three reasons.
First, it is difficult for high school students to manage their time when using smartphones. We can do a lot of fun things with smartphones. For example, watching movies, listening to music, and playing games. High school students spend a lot of time using smartphones that they should use for studying.
(59 words)

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【例2】
Second, my sister, who is a junior high school student, often gets in trouble for using her smartphone at school. She used to read books a lot before getting a smartphone. If she had not gotten a smartphone, she would be a better student. It is a pity.
(48 words)

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【例3】
I believe that junior high school students should have smartphones. There are two reasons why I think so.
 (省略)
For the reasons stated above, I think that junior high school students should have smartphones.
(33 words)

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chuko_2020_icon先生からのアドバイス

 

条件を正しく捉え、3つの構成を考えて、書き手がどのようにまとまった文章を書けばよいかを指摘することができたかな?

 

【例1】

 

I agree with this opinion for three reasons.
First, it is difficult for high school students to manage their time when using smartphones. We can do a lot of fun things with smartphones. For example, watching movies, listening to music, and playing games. High school students spend a lot of time using smartphones that they should use for studying.
(59 words)

<日本語訳>
私は3つの理由でこの意見に賛成です。
1つ目に、高校生がスマホを使うときに時間を管理するのが難しいからです。スマホでたくさんの楽しいことができます。例えば、映画を見ること、音楽を聞くこと、ゲームをすること。高校生は勉強に使うべき多くの時間を、スマホを使うことに費やしてしまいます。

 

最初に賛成か反対かを述べていることはいいね。ただし、this opinionと書くのではなく、解答となる文章を読むだけで何について意見を述べているのかが分かるように、きちんと論題を書こう。

 

例えば、I don't agree that junior high school students should have a smartphone. 「私は、中学生がスマホを持つべきということに賛成ではありません」のように書くといいだろう。

 

理由がいくつあるのかを挙げているのはいいね。There are two reasons why I think so.「そう思うには2つの理由があります」など便利な英文だ。

 

この書き手は3つの理由を書こうとしているけど、1つ目の理由ですでに59語使っている。残り40語で2つの理由を書こうとすると、それぞれの理由の語数が少なくなり、最初の理由の語数とバランスが悪くなってしまう。

 

このように、1番目の理由だけたくさんの情報があって、2番目や3番目の理由が薄っぺらになってしまう文章をよく見かける。これではまとまりのある文章とは言えない。こうならないように、100語で書くという条件を踏まえ、書き始める前に、バランスよく書けるように内容を整理しよう。

 

また、【例1】はもしかしたら0点になってしまうかもしれない。なぜなら、junior high school students「中学生」について書かなければならないところを、high school students「高校生」と書いてしまっているからだ。何度も言うけれど、指示文を丁寧に読みきちんと理解することが大切だよ。

 

また、4文目のFor example, ~は、主語と動詞がないので、文になっていない。こういう表現は避けたほうがいいだろう。

 

では、【例1】の内容を書き直してみるよ。ここでは語数制限を考えず、この書き手が書いた内容に沿った修正をしてみよう。

 

【模範例】
I do not agree that junior high school students should have smartphones. I have three reasons for my opinion.
First, it is difficult for junior high school students to manage their time when using smartphones. Smartphones can be very distracting since they are used for watching movies, listening to music, and playing games. Junior high school students spend a lot of time using smartphones, and as a result, the amount of time they spend on studying decreases.
(77words)

<日本語訳>
私は、中学生がスマホを持つべきということには反対です。私の意見には3つの理由があります。
1つ目に、中学生はスマホを使うときに時間を管理するのが難しいからです。スマホは、映画を見ること、音楽を聞くこと、ゲームをすることに使われるので、とても気が散ることがあります。中学生はスマホを使うことに時間を多く費やし、その結果として、勉強に費やす時間が減ってしまいます。

 

 

【例2】

 

Second, my sister, who is a junior high school student, often gets in trouble for using her smartphone at school. She used to read books a lot before getting a smartphone. If she had not gotten a smartphone, she would be a better student. It is a pity.
(48 words)

<日本語訳>
2つ目に、中学生の私の妹(姉)は学校でスマホを使ってしばしば問題になっています。彼女はスマホを手に入れるまではたくさん読書をしていました。もしスマホを手に入れていなかったらもっといい生徒だったでしょう。残念です。

 

この段落は理由がなく、妹(または姉)の例だけになっているね。まず、理由を端的に述べてから、例に移るようにしよう。

 

例えば、Junior high school students have more important things to do than using a smartphone.「中学生には、スマホを使うことよりもっと大事なことがあります。」のように述べてから妹(姉)の例を出すといいだろう。

 

では、【例2】の内容を書き直してみるよ。ここでは語数制限を考えず、この書き手が書いた内容に沿った修正をしてみよう。

 

【模範例】
Second, junior high school students should do more important things than using smartphones. Studying, reading, and playing with their friends are all important for their development. My sister, a junior high school student, stopped reading books when she got her smartphone. She always uses her smartphone and does not study much now. If she had not gotten a smartphone, she would be a much better student now.
(67 words)

<日本語訳>
2つ目に、中学生にはスマホを使うことよりもっと大事なことがあるからです。勉強、読書、友人と遊ぶことはすべて、彼らの成長に大事なことです。中学生の私の妹(姉)は、スマホを手に入れて読書をしなくなりました。彼女はいつもスマホを使い、今ではあまり勉強をしていません。もし彼女がスマホを手に入れていなかったら、もっとずっといい生徒だったでしょう。

 

 

【例3】

 

I believe that junior high school students should have smartphones. There are two reasons why I think so.
 (省略)
For the reasons stated above, I think that junior high school students should have smartphones.
(33 words)

<日本語訳>
私は、中学生はスマホを持つべきだと思います。そう思うのには3つの理由があります。
(省略)
以上の理由から、私は、中学生はスマホを持つべきだと思います。

 

導入(Introduction)と結論(Conclusion)を述べているのはいいね。ただ、まったく同じ表現を繰り返しているだけなので、そこを少しでも変えて表現するようにしよう。

 

例えば、理由で述べたことを付け加えて、次のように書こう。

 

【模範例】
In conclusion, I believe that junior high school students should have smartphones for their educational benefits.

<日本語訳>
結論として、教育的な利点があるので私は、中学生はスマホを使うべきだと思います。

 

 

今回のまとめ

 

最終回の今回は、自分の意見や考えを述べる英作文の書き方を取り上げました。

 

書くことは「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能の中でも難しい技能といえます。日頃、文章を読んだときに、「これは使える」、「これは私の状況に合う」という英文に出会ったら、書き留めておき、積極的に使うようにするとよいでしょう。

 

これで、全12回のシリーズを終了します。この連載で紹介したさまざまな勉強のコツや練習法は、普段の勉強にも入試の準備にも役立つものばかりです。練習を積み重ねて、ぜひ使える英語力を身に付けてください。

 

 

 『入試に役立つ!英語力向上レッスン』リストページ

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

PROFILE

東京都の教員として38年間勤務。現在、千代田区立九段中等教育学校、都留文科大学、文教大学で講師として教えるほか、NHKラジオ「中学生の基礎英語レベル1」の講師として活躍。ELEC同友会英語教育学会会長。学習指導要領の改訂に関わる。また、全国各地で教員向けの講演を行っている。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』(以上文藝春秋)、『中学校外国語新3観点の学習評価完全ガイドブック』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』(教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)など多数。

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