英検対策講座【3級】大問1: 短文の語句空所補充問題

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

解答・解説ページ

英検対策講座【3級】

 

Answers ~解答・解説~

 

次の(1)から(5)までの(   )に入れるのに最も適切なものを1, 2, 3, 4 の中から一つ選びなさい。

[英検 2021年度 第2回検定問題より]

 

 

(1)

 

正解: 3

 

A: Oh no! My pen has no more ink! Do you have one that I can ( borrow )?

B: Yes, here you are.

 

  1. tell
  2. think
  3. borrow
  4. put

 

 

【 訳 】

A:しまった! 私のペンにもうインクがないわ! 借りられるものはありますか?

B:はい、どうぞ。

 

【解説】

選択肢の単語はすべて動詞です。動詞を選ぶ問題では、通常、その後に置かれている名詞の語句との組み合わせを考えることが大事です。

 

この問題の場合、関係代名詞thatが使われているため、少し複雑な文の構造になっています。thatは直前のoneの代わりとなっていて、これが(  )の動詞の目的語になっています。

 

oneは前の文のpenを表していることから、「私が~することができるペンはありますか?」に当てはまる動詞を考えます。Bがhere you areと何かを渡すときに使う表現を使っていることから、正解は3のborrow「~を借りる」です。

 

選択肢1のtellは「~を伝える」、2のthinkは「~を考える」、4のputは「~を置く」という意味です。

 

no moreは「もう~ない」や「それ以上~ない」という意味です。この文の場合、後にinkを置いて、インクがもうない状態を表しています。

 

 

 

(2)

 

正解: 3

 

A: What happened, Sharon? Why is your dress so ( dirty )?

B: It was raining hard, and I fell off my bike.

 

  1. tall
  2. short
  3. dirty
  4. useful

 

 

【 訳 】

A:何があったの、シャロン? なぜあなたのワンピースはそんなに汚れているの?

B:雨が激しく降っていて、自転車から落ちたの。

 

【解説】

選択肢はすべて形容詞です。形容詞は名詞の性質や状態を説明します。

 

この問題の場合、your dress「あなたのワンピース」の性質や状態がどうであるかを他の部分から判断します。

 

まず、AのWhat happened, Sharon?の文から、シャロンに何かが起こっていることが分かります。次に、Bの文でシャロンが雨の中で自転車から落ちたことが分かります。

 

これらのことから、ワンピースがどういう状態になったのかを考えましょう。正解は3のdirty「きたない」です。

 

選択肢1のtallは「背の高い」、2のshortは「短い」、4のusefulは「役に立つ」という意味です。

 

fell off my bikeのfellはfallの過去形です。offは「~から落ちて」「~から離れて」などの意味を持つ前置詞です。fall off ~で「~から落ちる」という意味でよく使います。

 

 

 

(3)

 

正解: 2

 

Emma went shopping at the new department store yesterday. She bought a jacket and a new ( pair ) of jeans.

 

  1. piece
  2. pair
  3. slice
  4. sheet

 

 

【 訳 】

エマは昨日、新しいデパートに買い物に行きました。彼女はジャケットと一着の新しいジーンズを買いました。

 

【解説】

大問1には、語と語を組み合わせることである意味を表す熟語や構文の問題が数問入っています。

 

この問題ではa new (  ) of jeansをまとまりで考えるとよさそうです。jeansは両足で履いて使うものです。このようにペアとなって初めて機能を果たす名詞は通常複数形にします。また、あえて「一着の~」「1本の~」のように表す場合にはpairを使います。したがって、正解は2のpairです。

 

ペアとなって初めて機能を果たす他の名詞は、例えば、glasses(眼鏡)やshoes(シューズ)などです。「1本の眼鏡」であればa pair of glasses、「2本の眼鏡」であればtwo pairs of glassesのように表します。

 

選択肢1のpieceは切って使うものや切って食べる食品に使います。例えば、a piece of paper「1切れの紙」、a piece of chicken「1切れの鶏肉」のように使います。

 

選択肢3のsliceはスライスして食べる食品などに使います。例えば、a slice of bread「1切れのパン」、a slice of ham「1切れのハム」のように使います。

 

選択肢4のsheetは一定の大きさや形の薄いものに使います。例えば、a sheet of paper「1枚の紙」、a sheet of glass「1枚のガラス」のように使います

 

 

 

(4)

 

正解: 3

 

The town is famous for its beautiful old buildings. It has many houses ( built ) in the last century.

 

  1. build
  2. builds
  3. built
  4. building

 

 

【 訳 】

その町は美しい古い建物で有名です。そこには前世紀に建てられた家がたくさんあります。

 

【解説】

選択肢はいずれも動詞buildおよびその変化形です。このタイプの問題では、文中の(  )の位置や他に使われている単語を確認する必要があります。

 

この問題は(  )が名詞housesの直後に位置していることから、どんな家かを説明していると思われます。

 

名詞の直後に動詞を置いて名詞を修飾するためには、動詞を分詞にする方法があります。分詞には現在分詞と過去分詞があり、現在分詞には「~する」や「~している」、過去分詞には「~される」や「~された」という意味があります。

 

この文の場合、「(前世紀に)建てられた家」のように「~された」が適しています。したがって、正解は3のbuiltです。builtはbuildの過去形及び過去分詞の形です。

 

1文目のfamous for ~は「~で有名な」という意味で、forの後にはよく[its( his、her、theirなど)+名詞]を続けます。

 

(例)

These restaurants are famous for their chefs.

「これらのレストランは腕のいいシェフで有名です」

 

動詞の形を問う問題では、次のことを確認しましょう。

 

① 文の流れが過去のことを述べている場合 →過去形

(例)I went to the restaurant and ate two hamburgers.

「私はレストランに行ってハンバーガーを2つ食べた」

 

② 現在形の文で主語が三人称単数になっている場合 →-(e)sの形

(例)My father sometimes eats sushi.

「父はときどき寿司を食べる」

 

③ 助動詞(shouldやmustなど)が直前にある場合 →原形

(例)My son can't eat hot food.

「息子は辛い食べ物は食べられない」

 

④ 一般動詞の疑問文(DoやDoes、Didで始まる)や否定文の場合 →原形

(例)I didn't eat breakfast today.

「今日は朝食を食べなかった」

 

⑤ be動詞が直前にあり、進行形になる場合 →-ing形(現在分詞)

(例)My mother was eating something when I got home.

「ぼくが帰宅したとき母は何かを食べていた」

 

⑥ be動詞が直前にあり、受け身の文になる場合 →過去分詞

(例)Now sushi is eaten in many countries.

「今では寿司は多くの国々で食べられている」

 

⑦ haveが直前にあり、現在完了の文になる場合→過去分詞

(例)I have never eaten Japanese food.

「私は一度も日本料理を食べたことがない」

 

⑧ 名詞の直後で「~している」と説明を加える場合 →-ing形(現在分詞)

(例)Do you know the boy eating a banana over there?

「あそこでバナナを食べている男の子を知っていますか?」

 

⑨ 名詞の直後で「~される、~された」と説明を加える場合 →過去分詞

(例)Tempura is one of the dishes eaten by many people.

「天ぷらは多くの人に食べられている料理の一つです」

 

 

 

(5)

 

正解: 2

 

A: How was the basketball tournament?

B: Not good. We were the ( worst ) team there. We didn't win any games.

 

  1. poor
  2. worst
  3. worse
  4. bad

 

 

【 訳 】

A:バスケットボールのトーナメントはどうだった?

B:あまり良くなかったよ。ぼくたちはそこでは一番下手なチームだった。1試合も勝てなかった。

 

【解説】

選択肢はすべて形容詞です。Bがバスケットのトーナメントの様子をAに尋ねられ、Not good.「あまりよくなかった」と答えています。また、We didn't win any games.「1試合も勝てなかった」とも言っています。これらのことから(  )に適する語を考えましょう。

 

選択肢2のworstと3のworseは、badやillの最上級と比較級です。(  )の前にtheがあること、there「そこでは」と比較する範囲を限定していることから、正解は2のworstです。the worstで「一番下手な」という意味になります。

 

選択肢1のpoorは「下手な、貧乏な」、4のbadは「悪い」という意味です。

 

比較の文の例を示しますので、確認しましょう。

 

☆原級

Too much is as bad as too little.

「過ぎたるは及ばざるがごとし」

(多過ぎるのは少な過ぎるのと同じくらい悪い)

 

☆比較級

You are worse than the man.

「あなたはその男性よりも悪い」

 

☆最上級

She sang worst of anybody.

「彼女はいちばん歌が下手だった」

(=She was the worst singer.)

 

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

PROFILE

東京都の教員として38年間勤務。現在、千代田区立九段中等教育学校、都留文科大学、文教大学で講師として教えるほか、NHKラジオ「中学生の基礎英語レベル1」の講師として活躍。ELEC同友会英語教育学会会長。学習指導要領の改訂に関わる。また、全国各地で教員向けの講演を行っている。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』(以上文藝春秋)、『中学校外国語新3観点の学習評価完全ガイドブック』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』(教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)など多数。

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