一般選抜攻略シリーズ②〜人気学部学科はドコ?〜

もう志望学部学科は決まっていますか? 決まっている人も決まっていない人も、受験を控えている人が気になるのは人気学部の傾向かもしれません。2026年度入試がどうなるか、近年の傾向から探ってみましょう。お話してくれたのは、前回に引き続き代々木ゼミナールで教育情報センター教育情報室 室長を務める木戸葵氏です。

 

 

近年、注目を集めるデータサイエンスの動向

 

まず、私立大学の理系から見てみましょう。2025年度入試では、医療系では歯学部の人気が上がった一方で、薬学部が志望者数を減らします。

「医学系は恒常的に人気があります。特に医学部はなくてはならない職業につながるものとして一定数の受験生が集まります。ただ、2025年度入試では共通テストの平均点が高くなり、各医学部の予想ボーダーラインも高くなりました。その結果を見て、国公立大学の2次試験で、医学部から歯学部に志望変更した受験生が多くなったのではないでしょうか。薬学部に関しては、段階的に定員数が減らされており、その影響が出ていると思われます」(木戸氏)

また、近年人気が上昇し続けたデータサイエンスを含む総合情報系は、わずか2%増で少し落ち着きを見せました。

「ただ、スポーツや農学×データサイエンスなど、データサイエンスの知識を活用する学科が除々に増えてきているようです。卒業後の進路が見えにくかったデータサイエンス系の学部ですが、既存の学科に取り込むことでどんなキャリアが築けるのかがわかりやすくなりそうです」(木戸氏)

落ち着いたとはいえ、データサイエンスなど総合情報系は今後も関心が集まる分野だと木戸氏は語ります。また、理工系に女性が関心を持つ傾向も見られます。

「これまで男性比率が高かった理工系分野に、女性の視点も入れてイノベーションを起こそうという時代背景があります。そのため、女子の理系志望者を増やそうとさまざまな取り組みをする大学が増えています」(木戸氏)

 

 

時代の流れのひとつ「文理融合」も意識しよう

 

次に私立大学の文系を見てみましょう。増加傾向がある法学系には、公務員対策への期待があるようです。

「潰しが効く学問というものは最終的にはないと思いますが、世間的にはやはり、法・経済・経営・商・政治を勉強することで、公務員試験などの対策になると考えられているようです。法曹に就くわけでなくても、法学系で法律の知識や論理的思考力を身につければ、社会に出た時に役立つスキルにもなります」(木戸氏)

コロナ禍が収束して以降、人気を取り戻しているのが国際系です。前回には、海外の大学も視野に入れる人がいると伝えました。ただ、多くの日本人が渡航していたアメリカなど、昨今の政治情勢によって留学に不安を抱えている受験生もいるかもしれません。

「北米以外にも英語を学べる国はたくさんあります。ヨーロッパだけでなく、東南アジアにも選択肢が広がっているので、国際系の人気が衰えることはないでしょう」(木戸氏)

また、文理融合への移行という傾向もあります。

「国公立大学や難関私立大学の文理融合系は新設初年度でも人気がありますし、文理融合系を志望する傾向は続くでしょう。今まで文系だと思っていた人が理系に関心をもったり、その逆も出てくると思います」(木戸氏)

今の学部トレンドが見えてきましたか? ただ、自分のやりたいこととトレンドは別物です。トレンドは、社会の動きを把握するために知っておきたいですが、傾向に振り回されずに、本当に自分がやりたいことを見つけて学部学科選びをしてください。

また、入学後に学科を選べる大学もあります。どうしても高校生のうちに進みたい分野が見つからない場合は、あわてて分野を選んでミスマッチということにならないよう1年次はいろいろな学問を学べる大学を選ぶのもひとつの選択です。

 

 

取材協力:木戸葵(きど・あおい)氏

代々木ゼミナール 教育情報センター教育情報室 室長

 

 

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