総合型選抜は従来のテスト型の入試とは違い、大学や学部学科への理解、高校で何をしてきたのか、大学で何をしたいのか、学びへの意欲など、各大学が求める人物像と合っているかどうかを判断する入試です。しかし、実際には高校生でそんな武器を持っている人は少数派です。どうしたらよいのか0から始める人のためにアドバイスします。
自分の好きなこと、気になることから学びを絞り込もう
総合型選抜では、一次試験となる書類審査に提出する「志望理由書」が重要です。前回、早稲田塾の中川敏和氏は、この志望理由書には個人的な人物史となるマイストーリーや志望理由書に書く過程が大事だと話してくれました。このマイストーリーに組み込みたいのが、高校時代など直近の体験です。自分の歩んできた人生や関心ごとが、何かを体験することを促し、その結果、大学で何をしたいのかという学ぶ意欲につながればベストと言えます。
ところが、「大学の学びにつながるような関心はない」という声をよく聞きます。でも、そんなことはないはずです。社会のどんなことでも、研究対象になるからです。
今まで好きだったこと、心地よかったこと、うれしかったこと、好きな教科、部活動、趣味、ハマったことにヒントがあります。「音楽が好き」「動物が好き」「アニメが好き」「人に感謝されるとうれしい」など。
逆に、嫌いなことから消去法で考えてもよいですし、社会的な関心で気になること、心配していること、疑問でもよいかもしれません。たとえば、「地球温暖化が心配」「ネットでデマを流すのってひどい!」でもいいでしょう。
自分の嗜好性や経験してきたことを軸に、大学で学びたいことを絞り込んでみてください。
学びへの意欲や動機を裏付けることを体験してみる
自分の好きなことや気になることが見えてきたら、それに関係する実体験を深めてみましょう。たとえば、部活動や日々の生活・活動の中で体験できている人は無理に何かをしなくてもいいかもしれません。ただ、より大学の試験官を納得させるためには、「何をしたか」「そこから何を得たか」「それがなぜ大学の学びと結びつくのか」をきちんと見せることが大事です。
そうした体験がなかなかできないという人は、各種団体や民間企業のイベントに参加してみるのも一つの手段です。たとえば、株式会社EduLabが高校生と共催する「EduLab高校生インターンシップ」。これは身近な課題から高校生が考えたアイデアを実現可能性やビジネスの視点をふまえて社会につなげ、その過程で多様な人と協働し、将来への視野を広げることを目的としたものです。こうした機会を通じて、自分の興味あるテーマを深めてみてもよいでしょう。
また、各種コンクールに応募したり、何らかのボランティア活動でもいいかもしれません。ささやかなことでもよいので、そこで自分がどう動き、何を感じ、どう成長したか、もしくはどんな挫折があったか、その結果、何を追究したくなったかが「志望理由書」に明確に表現でき、面接で語れるストーリーにできれば、総合型選抜攻略のアイテムを手にしたも同然といえるでしょう。
