総合型選抜に向けて、「総合型選抜攻略シリーズ①②」では、「今を知ろう」「未来を知ろう」と題して、「自分史をつくること」「探究学習をすること」を紹介してきました。いよいよ最終回。ミスマッチを防ぐための志望校のリサーチについて、早稲田塾の中川敏和氏が教えてくれました。
同じ学部学科でも大学によって学びの内容は異なる
前回、総合型選抜攻略法として探究学習への取り組み方を、番外編では探究学習関連イベントの探し方をお伝えしました。賢明な読者は、この夏休みにも早速、様々な探究学習に取り組んでいるのではないでしょうか?
学びたいことなど自分の志向性が見えてきたら、次に取り組みたいのが、自分の学びたいことに適した大学や学部学科を探すことです。
「まず学部学科を調べると思いますが、同じ学部でも大学によって行われていることが違います。その違いを知るには、各大学のその学部学科でどんな取り組みが行われているかを調べてみることが大切です」(中川氏)
調べ方として、まずホームページを見ると思いますが、中川氏が紹介してくれたのが、大学の出している動画サイトやSNSをチェックすること。最新研究のトピックや大学や学部学科の雰囲気もわかる便利ツールです。
また、大学によっては、在学生のインタビューなど生の声を掲載している受験生向けのサイトもあります。受験生専用の登録サイトをもつ大学もあるので、志望校の大学にあれば早速登録してみましょう。
オープンキャンパスは情報の宝庫!
中川氏オススメのもう一つの大学の調べ方は、大学のオープンキャンパスに行くことです。
「オープンキャンパスは、大学名で行き先を選ぶのではなく、学びたいことを実際にやっている大学に行きましょう。志望する大学だけでなく他の大学にも行って、3校くらいで比較してみると、同じ学部学科でも学びの違いがわかりやすいですよ」(中川氏)
ところで、オープンキャンパスには誰と行きますか?友達?自分ひとり? 中川氏は親子で行くことを推奨します。
「総合型選抜で提出書類を作成する時に、保護者も大学のことを知っていれば適切な助言ができますし、親子で面接の練習をする時にも知識が役立ちます」(中川氏)
また、中川氏はオープンキャンパスでやるべきことも挙げてくれました。
「メモと写真撮影を忘れずに。形にすると後で思い出しやすいからです。それから、積極的に質問してください。いろいろな情報を教えてくれるので、質問した方がおトクです」(中川氏)
探究学習をしている人は、先行研究を調べるのに苦労しがちですが、オープンキャンパスで「こんなことを学びたいけれど、研究している先生はいますか?」と聞いてみるのもいいですね。
「情報収集をしたら、その先生の書籍を購入して読んでみること。そうすれば、総合型選抜の書類作成にかなり近づけます」(中川氏)
オープンキャンパスは、多くは夏休みに集中しますが、1年間を通して実施する大学もあります。志望校の日程を調べて、ぜひ行ってみましょう。

