2026年度入試の総合型選抜や学校推薦型選抜の結果が出る時期になりました。悲喜こもごもだと思いますが、一般選抜を狙う高校生にとっては、これからが本番です。具体的にどのような勉強をして一般選抜に臨むのがよいのか、代々木ゼミナールで教育情報センター教育情報室 室長を務める木戸葵氏が教科別に教えてくれました。
教科別勉強法に奇策はなし! 今こそ基本をしっかり
【英語】
英単語を覚えるのがつまらないという人が多いのですが、英単語を知らないと英文が読めません。一度にたくさん覚えようとすると嫌になってしまうので、毎日数十分だけでも構いません、時間を決めてコツコツやってみてください。1日で少しだけでも1週間でかなりの量になります。それをまた復習して定着させます。その上で、長文を読む練習をしたり、和訳する練習が必要ですが、共通テストで大事なのは速読です。ただ、最終的に入試本番で早く読めるようになっていればよいので、ふだんは1文ずつ精読することから始めてみましょう。
【地歴公民】
地歴公民は覚えなければいけないことがどうしても多い科目です。歴史はただ事柄だけ覚えても、それがその時代でどう位置づけられているのかはわかりません。一つのできごとを覚える時には、必ずその時代のどういう流れの中にあるのかストーリーとともに覚えましょう。地理は地図帳を活用して、その場所がどんな特徴のある地形で、ここでどんな人たちが暮らしていたかなど、さまざまな文脈で語れるようにすると忘れにくくなります。公民は現代の暮らしと直接結びつく事項を学びます。自分の生活に引きつけて覚えていくとよいでしょう。
【理科】
どの教科にも共通するように、理科もまた基礎的な事項を覚え、理解することが求められます。その上で、理科は問題を解きながら言葉を定着させていくことが有効です。実験のある科目であれば、実験の手順が共通テストの題材として出題されることが多いので、やはり教科書を読んで基本的な事項を頭に入れつつ、授業の中で、実際に手を動かして実験をすることで理解が深まります。
【数学】
計算ミスで減点されるのはもったいないので、まずは計算練習をしっかりやりましょう。暗算できるようになれば、時間の短縮にもなります。「数学はセンス」と言われることもありますが、たとえセンスが足りないとしても、多くの問題にあたって「この設定の問題のときはこうやって解く」という引き出しをたくさん持てれば、対応できるようになります。苦手意識のある人は、標準的な基礎問題でよいので、よりたくさんの問題を解いてストックを増やしてください。
【国語】
現代文は、読書好きの人ならある程度、何もしなくても解けてしまう問題は多いでしょう。ただ、ふだん使い慣れている日本語だからこそ、厳密に言葉の意味を説明できないことがあります。ですから、意味をイメージできても説明できない用語は、積極的に調べてみてください。言葉の意味を正確に把握しておくだけでも、文章の理解が深まります。また、文章を読む時には、漠然と読むのではなく、どのように論理が展開しているのか、筆者の主張や論点を整理しながら読むように努めましょう。要約できるくらい深く読む練習をしておくと、国公立大学の記述式問題や、小論文が課される入試でも臆せず対応できるようになります。古典は、まずは古文単語や文法、漢文の句法といった基本事項を覚えてしまいましょう。そのうえで問題を解きながらさまざまな文章に触れてください。また、その作品が書かれた時代背景や文化についても理解を深めるとよりいっそう読みやすくなります。

