第27回:英語の辞書を使いこなそう(1)<基本編>

本多 敏幸(ほんだ としゆき)
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辞書は英語の学習に欠かすことができないものの一つ。辞書を利用する習慣が身に付けば、英語力はアップします。今回は「基本編」、次回を「電子辞書編」として、連続で辞書を使った学習方法を紹介します。

27

 

 

辞書の機能を知ろう

 

辞書には、調べる目的に応じてたくさんの種類があります。中学生や高校生が英語学習に使う辞書を紹介しましょう。

 

英語学習で使う辞書の種類(主なもの)

種類 内容
英和辞典 英単語の意味・用法を日本語で説明してある辞書
和英辞典 日本語の表現にあたる英語を調べるときに使う辞書
英英辞典 英単語の意味・用法を英語で説明してある辞書

 

辞書のレベルは、初学者用から研究者用まで、様々なものがつくられています。自分にあったレベルの辞書を選ぶことが大切です。

 

英和辞典のレベル

レベル 対象 値段の目安 特徴
初級者用辞典 初級者(小学生から中学生) 大体2,000円まで 英和辞典と和英辞典が一緒になっている辞書もある
学習英和辞典 中学3年生から高校生 3,500円前後 例文や解説がたくさん載っている

 

学習英和辞典には、文法や語法などの解説が載せてあるものが多く、それらを読むこと自体が良い勉強になります。

 

また、辞書には紙の辞書(本タイプ)や電子辞書、オンライン辞書、辞書アプリなどがあります。英語に慣れていない段階では紙の辞書を使うとよいでしょう。どのような情報が載せられているのかをさっと確認することができます。

 

辞書の使い方に慣れてきて、辞書にどのような情報が載っているのかを把握したら、電子辞書を使うとよいでしょう。ちなみに、電子辞書では情報を得るために、ボタンを押すなどもう1つ動作が必要となることがあります。

 

ネット環境があるなら、無料で使える「英ナビ!辞書」のようなオンライン辞書もおすすめです。パソコンやスマホでいつでもどこでも利用することができます。

 

辞書は「単語の意味を調べるもの」というイメージが強いですが、実は、意味だけではなくいろいろな情報が載っています。まず、辞書を引くことでどのようなことが分かるのか把握しましょう。基本的には次の情報が載っています。

 

音節: 見出し語が・で区切られている。例:be・gin
発音: 見出し語の隣に発音記号やカナで示されている。 
アクセント: 発音記号に ´ がついている。カナ表記の場合は太字になっている。
例: /bigín/ [bigín ビン]
品詞: [動]、[名]、[形]などの記号で示されている。
語形変化: 三単現のSの形、過去形、過去分詞、現在分詞の順番で、形容詞や副詞なら、比較級、最上級の順番で示されている。名詞なら複数形が示されている。
派生語・同義語・対義語・語源: 語源やその語に関連する語について示されている。
訳語: 見出し語を日本語に訳した例が載っている。例:begin 始まる
文型: 特に動詞に載っている情報で、高校生用の辞書では、S(主語)、V(動詞)、O(目的語)、C(補語)、M(修飾語句)などの記号で示されている。中学生用の辞書では記号を使わずに簡単に示されていることが多い。また、自動詞か他動詞かが示されている。
例文: 例:School begins at 8:20.
熟語: 例:to begin with まず第一に
語法: その語の使い方や他の語との違いなどの解説が載っている。
イラストや図表: イメージしにくい語や表現にはイラストが載っていたり、図表が載っていたりする。

 

辞書には、少ないスペースに多くの情報を載せるために省略記号が使われています。辞書によって記号は異なるので、自分の辞書の記号を調べておきましょう。紙の辞書であれば、冒頭のページに次のような記号の一覧表が載っています。

 

[名]名詞、[動]動詞、[形]形容詞、[副]副詞、[前]前置詞
[他]他動詞、[自]自動詞、[派]派生語、(複)複数形

 

これ以外にも様々な約束事があります。例えば、study(見出し語はstud・y)を調べると、見出し語の右側に、

 

-・ied, ~・ing

と載っている辞書があります。左は過去形(及び過去分詞)で、右は-ing形(現在分詞)です。[-・ ]と[~・ ]の記号の違いを知っていますか。

 

studyという単語はstudとyの2音節(1つの音節に母音が1つある)でできています。-・の記号は見出し語(stud・y)の一部を省略しているという意味なので、studの部分にiedを付けてstudiedにする。~は見出し語全部をまるまる使うことを示しています。つまり、studyにingを付けてstudyingにするということです。

 

 

辞書を使った学習法

 

【その1】 単語を調べるときには意味を推測してから引く

 

英和辞典を使う目的の多くは、単語の意味を調べることだと思います。しかし、分からない語があるからといって、やみくもに辞書を引くと学習効果が低くなります。

 

まず、調べたい単語の意味を推測してみてください。その単語の前後の単語や、文脈から意味が判断できるものもたくさんあるはずです。例えば、次の文の「borrow」の意味が分からないとします。

 

Mike went to the library to borrow some books.
「マイクは本を しに図書館に行った」

borrowはtoの後にあるので動詞であることが推測でき、直後にsome booksが置かれていることから「本を~する」、さらに、図書館で行われる動作であることから、「借りる」という意味が推測できます。推測した意味が正しいかどうかを辞書で確かめてください。

 

入学試験や学校のテストでは辞書を引くことはできないので、分からない単語があっても、意味を推測するしかありません。「推測力」は文章を読むときの大切な要素です。この力を身に付けるためにも「推測してから調べる」は必ず行ってください。

 

 

【その2】 単語のまわりをさっと読んで、プラスアルファの知識を得る

 

辞書には訳語(日本語に訳したもの)が載っています。しかし、最初に載っている訳語だけを見て辞書を閉じてはいけません。

 

1つの単語には複数の意味があることが多いのです。すべての訳語をさっと見て、文脈に合った訳語を選びましょう。そして、一緒に載っている例文を見て、調べたい単語の訳語が適切であるか確認してみましょう。

 

また、単語の意味を調べる目的であっても、その単語の発音とアクセントは確認しておきましょう。つづりから発音を予測し、それが合っているか確かめる手順を踏むと良いです。確認したら実際に発音してみましょう。

 

さらに、調べた単語が動詞であるなら、その過去形と過去分詞も確認しておきましょう。また、同義語、対義語、派生語なども確認するとよいでしょう。1つの単語を調べたら、関連する語も調べる習慣が付くと、語彙数が2倍、3倍の速さで増えていきます(「第26回:語彙数を増やそう」を参照)。

 

辞書は情報の宝庫です。重要だと思う単語を調べたときには、必ずプラスアルファの情報を得ようとしてください。一度では覚えられないかもしれませんが、さっと読むだけでも英語に関するさまざまな知識が増えていきます。

 

次回は、辞書を使った学習法の「電子辞書編」を紹介します。

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ としゆき)

PROFILE

千代田区立九段中等教育学校指導教諭。東京学芸大学大学院教育学研究科英語教育専攻修士課程修了。ELEC同友会英語教育学会会長。英語授業研究学会理事。文部科学省「外国語教育における『CAN-DOリスト』の形での学習到達目標設定に関する検討会議」、「中央教育審議会中等教育分科会教育課程部会外国語ワーキンググループ」、「学習指導要領等の改善に関わる検討に必要な専門的作業等(中学校外国語)」協力者。全国各地で教員向けの講演を多数行う。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』、『中学生からの勉強法』(以上文藝春秋)、『中学校新学習指導要領 英語の授業づくり』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』、『到達目標に向けての指導と評価』(以上教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)などがある。

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