前回に続き、年内入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)にチャレンジした3人の先輩たちが合格のヒントを教えてくれます。シリーズ③では年内入試を目指した理由、探究テーマを見つけたきっかけなどを聞きましたが、今回は探究以外にどんな対策をしたのか、試験当日の様子など聞いてみました。
細田早紀さん(慶應義塾大学総合政策学部1年)
作文センスを生かせると総合型選抜(AO入試)を受験。迷いのあった探究テーマを、出願1カ月前に趣味の「メタバース」に変更。大学ではメタバースのサークルに所属し、メタバースに長けた企業でのインターンシップも目指している。
木村七海さん(中央大学文学部国文学専攻1年)
得意な自己表現を武器に総合型選抜(自己推薦入試)に挑戦。気になっていた「日本人らしさ」から「終助詞」の探究に到達。専門書を読み込んで総合型選抜に備えた。総合型選抜を目指す友人は、探究テーマが違ってもお互いに励まし合える大事な存在だったという。
横山冠太朗さん(東京外国語大学国際社会学部1年)
留学先で多文化共生に関心をもつ。帰国後にクルド人をめぐる問題を追究するために、支援団体など現場でのインタビューやボランティアを行い、学校推薦型選抜で受験。大学では引き続きクルド人問題の探究するために、トルコ語を学習中。
―― 探究活動以外には、総合型選抜に向けてどんな準備をしましたか?
細田 総合型選抜は、大学ごとに特色があるので志望校に特化した対策を高2から始めました。高3以降は、過去問を解いたり、実際にあった面接をもとに想定問答集を作って面接練習をしたりしました。塾で役立ったのは、高1から高3まで受講した小論文講座。文章を書くのが好きでも得意ではないし、長文を書く習慣もなかったのですが、毎週800〜1000字程度のルーティンをこなすことで、長文を書くことへの抵抗がなくなりました。
木村 万が一に備えて一般入試に向けた勉強もがんばっていました。ただ、模試を受けると不安になりました。でも、私の力は総合型選抜で発揮できるものですし、模試では測れないと考えるようにしました。自分は「言語学・日本語学」が好きなのだと気づいてからは、探究を深めることが楽しくて不安もなくなりました。
横山 東京外大は僕の評定平均では難関でしたし、実は留学するまでは英語も苦手でした。それでも英語の資格試験さえクリアすれば手が届く大学だと考え、英検®準1級を取得しました。あと東京外大は、事前に課題図書を読み、当日の出題に対して90分で2000字の文章を書きます。そこで考えたのが、小論文の予想問題を自分で作ること。オープンキャンパスで見せてもらえる過去問をメモしてきて、テーマに対して大学がどういう問いをするのか、どういう人材を求めているのか、なぜ今年はこの課題図書なのかを考え、出題予想を立てて、自分の探究テーマに絡めて小論文を書く練習をしました。
―― 1次選抜は書類審査ですね。対面となる2次選抜について教えてください。
細田 私の場合、2次選抜は面接だけ。受かる人は皆「楽しかった」という感想をもつ、と事前に聞いていました。そのため私は、自分が探究してきたことを、その道のプロである教授陣と話せることを楽しもうと臨みました。当日は聞いていた通り、面接会場から軽やかに出てくる人と泣き出しそうな人とに二分されていました。好きなメタバースを普及させることが探究の目的でもあるので、普及活動のつもりで話をしたら、面接での会話がはずみました。
木村 私は英語の試験と面接がありました。英語の試験は独特で、メモを取らずに15分ほど動画を見て、その後に配られる問題に解答するというもの。正直、できたのかできなかったのか、わかりませんでした。「得意な面接でがんばろう」と思い直しましたが、面接が始まると、過去とまったく違う面接方式に変更されていて、一瞬パニックに。準備してきた回答は、一つも出番がなかったのです。突発的な事態に対応できたのは、小論文や面接に向けて様々な形で準備してきたことで、瞬発的な対応力や判断力が身についていたからだと思います。
横山 小論文は予想問題が的中しました。段落ごとに何を書くか決めていたので、何度も実際に書いて覚えていたことを書き切るだけでした。ただ、実は漢字が苦手で、書き終えてから見直すと10個くらい間違いが見つかりました。試験では余裕をもって見直すことが大事だと実感しましたね。面接では自分の知識の間違いを指摘されましたが、専門家である先生が新しい学びを提供してくれたと考え、間違いの指摘に感謝し、真摯に受け答えをすることでとまどうことなく、面接でのパフォーマンスに影響することはありませんでした。
取材協力:早稲田塾
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